幸せのおすそ分け８【あんスタ】 (ページ26)

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376話ページ26

✩

｢今までの練習の成果を発揮しよう！｣

｢大丈夫。俺たちなら勝てる！｣

｢どんな時も笑顔を忘れずに！いくぞ～！｣

｢｢お～！！｣｣

…ちょっと羨ましいなあ

青春って感じ♪

私はあんずちゃんに着替えを手伝ってもらうと、仕事があるからと行ってしまった

｢…！ふふっ♪｣

昔から怖い時や不安な時、手をいじる癖がある

指先に触れた指輪を眺めると、先日の楽しい思い出が蘇ってきた

ドキドキしてるけど…

ちょっと不安だけど、大丈夫

いつも通りやれば勝てるはず

｢柊Aさん｣

｢はっ、はい！｣

係の人と目が合うと、私の不安が伝わってしまったのかな

肩に手を置いて、その人は笑顔で声をかけてくれた

私の緊張をほぐそうとしてくれたのかな？

｢まだアイドルになったばかりなのに、初の女性アイドルだし、向こうみたいに頼れる仲間もいないし…不安は大きいだろうけど、ステージはきっと楽しいよ｣

｢…はい！が、頑張ってきます！｣

｢こっそり影で応援してるからね…♪｣

｢ありがとうございます！｣

通りかかったどこかのユニットの人は、私と目が合うと冷笑した

…あっ

｢良かった。あんな相手があんな弱そうな雑魚で｣

｢言ってやんなよ。可哀想だろ｣

｢…｣

…ちょっとだけ、悲しかった

ううん！

昔から舐められがちだけど、大体何とかなってきたもん！

私はあの人達の後だから、出番はまだだけど…

｢りっちゃん…｣

冷えきった手で指輪に触れながら、私は必死に緊張を抑えた