342話 ページ42
✩
りっちゃんは顔を赤らめながらもちゃんと言ってくれた
それが私はとても嬉しかった
「友達じゃなくて…もっと上の意味で、好き…」
「りっちゃん〜!」
「Aは?」
「私も!りっちゃんは私にとって特別で、頼れる存在で、すっごく尊敬してて〜♪」
「むっ、俺あんなに緊張したのに…」
「…私の初恋の人」
そう言うと、りっちゃんは面白いぐらいにピタッと固まった
氷漬けにされたのかなって思うぐらい
あはは、カチコチになってる…♪
「………」
「りっちゃ〜ん?そろそろ動いてくれないと私恥ずかしくなっちゃう」
「いや、その…俺も…」
「ふふっ、そんなのとっくに知ってる…♪」
「………」
この話は一旦ここで終わらして、私は扉に向かって歩いていった
…案外、本当に妖精さんなのかも
「い、いつから気づいてたの?なんで今まで言わなかったの?」
「ん〜?いつか言ってくるかなぁと思って放置してた」
「はあぁ?」
「だって恥ずかしいし」
私は鍵も何も"掛かっていなかった"扉をもう一度押すと、今度は簡単に開いた
「ふふっ、妖精さんありがとうございます…♪」
「ねぇ。どこ行くつもり?あの荷物置いてく訳?」
「も〜りっちゃんうるさい!トイレ行くだけだってば!」
「トイレならトイレって言ってよ…」
「…!」
一瞬先っぽだけ見えた紫色の綺麗な長い髪を、私は多分だけど一生覚えていられると思う
夜の学校も、そんなに悪くないもんだねぇ…♪
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月25日 9時