325話 ページ25
✩
「あれ、Aちゃん今日はスタジオ来ないつもり?まだオリジナル曲決まってないんじゃないのぉ」
「あ、あはは…ちょっと体調が悪くて」
「そういえば昨日ずっと起きなかったねぇ。くまくんが満足気に運んでくれてたけど」
りっちゃんの話が出ただけで、私はすぐに身体が熱くなった
だ、ダメだ…意識したらダメって分かってるのに反応しちゃう…!
「あぁ…ふぅん、そういうことね」
「い、いや…ちがっ…」
「くまくんいないし、歌ってあげるから聞くだけ聞いてきなよ」
「は、はい…」
察した様子で瀬名泉さんはスタジオのドアを開けてくれた
もしかして私…ばれてる?
室内に行くと、色んな楽譜が丁寧に置かれていた
誰これ
「何この大量の楽譜…へぇ」
「あ、あの…どうかしました?」
「今から歌うから聞いて。〜♪〜♪〜__」
「…!」
私はその曲を聞いた瞬間、これだって思った
私のイメージしてた感じのリズムだ…!
「私それが良いです!ピンときました!」
「やっぱりねぇ」
「…?どういうことですか?」
「なんで片付けたはずの楽譜が置いてあるのかと思ったら…くまくんが見つけてくれてたみたいだよぉ」
「りっちゃんが…」
そんな事してくれてたんだ…
何だか申し訳ないような恥ずかしいような
でも一番は、嬉しかった
「何があったのかは大体想像つくけど、会ったらお礼ぐらい言っときなよぉ」
「はい!そうします…♪」
「ん、良い子良い子」
「…!?」
あの瀬名泉さんに頭を撫でられたのに、私は反射的に避けてしまった
だって、またりっちゃんが…
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月25日 9時