322話 ページ22
✩
「曲?それならそこら辺に落ちてるから好きなの使っていいよぉ♪」
「あ、ありがとうございます!」
曲ってそこら辺に落ちてるものなの…?
不思議に思ったけど、瀬名泉さんの指さした方向にある引き出しを調べた
わっ、本当に楽譜ばっか…
…私は物凄く申し訳ない気持ちになりながら謝った
「瀬名泉さん、ごめんなさい…私楽譜読めないです」
「そうなんだ。それじゃあくまくん、起きて。あんたの大好きな彼女に歌ってあげてよ」
「んん〜…良いよ。ふぁ、あふ…♪」
彼女って…
私別にりっちゃんと付き合ってないんだけどな…
本人もそう言ってたし
「あぁ〜そういうことね。どんな感じの曲探してるの?」
「う〜ん…かっこいいやつが良い!」
「少し意外ですね。Aさんのイメージ的に優しいふんわりした曲かと思いました」
「甘ったるいかな〜って思ったので」
私の見た目は残念なことに格好良いには含まれないみたいだから、せめて曲だけでもかっこよくさせたい
でも衣装の大半は羽織るマントで白くなるし、あんまりイケイケなのも似合わないんだよね
難しい…
「それじゃあ、てきと〜に歌ってくからピンと来たもの教えて」
「あっ、うん。分かった!」
「…寝ない?」
「寝ないよ!真剣に聞くんだから」
「そうかなぁ〜…まぁいいや、まずはこれね。〜♪」
あっ、眠い←
いやいや、私は真剣に聞くんだから!
「ふふっ。ほら、やっぱりうとうとしてる…♪」
「うっ…別に眠くないよ…?」
「それじゃあ、これとかどうかな〜♪」
「うぐっ…」
そんなゆったりした曲聞いてたら、眠くなってきちゃう…
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月25日 9時