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320話 ページ20

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「あの子の母親、最近捕まったらしいわよ」

「うちの子が心配だわ…Aちゃんに近づいたら駄目よ」


あいつは何もしてねぇじゃねぇかよ

何も知らねぇくせに


「ね〜れいちゃん!」

「あぁ?なんだよ」

「れいちゃんはわたしといてだいじょ〜ぶ?」

「…だいじょうぶに決まってんだろ」


なんで…



___



「なんで、お前が気にするんだよ…」

「れいちゃん?」


彼が抱き寄せると、彼女は不思議そうに首を傾げた

そして、状況が分からず困惑した


「え?なんでAがいるんだ…ごほんっ、何故ここにおる?」

「れいちゃんが引っ張ってきたから」

「少しは抵抗したらどうじゃ…」

「ふふっ」


彼女が笑うと、余計に彼は困惑した

すると彼女は笑った理由を説明し始めた


「いやぁ、兄弟だな〜って思ってた…♪」

「それは凛月のことかえ!?そうかそうか、我輩と凛月は似ておるのか…♪」

「うん!りっちゃんもよく私のこと引っ張ってくるんだよ〜」


ふいに暗闇の棺桶に光が差し込んだ

そして、同時に大きな声が聞こえた

どうやら外にいた彼は怒っているようだった


「なにイチャイチャしてんだてめぇら!そういうのは他所でやれ!」

「別にいちゃいちゃしてた訳じゃ…ねぇ?」

「そうじゃぞ。むしろそう見えたわんこが一番…」

「うるせぇ!黙りやがれこの偽天然野郎どもが!」

「…」

「…?」


一人、驚いた様子で彼女を見つめる人がいた


「どうした?薫くんや」

「いや、その…どうしてAちゃんは疲れないのかな〜って疑問に思っちゃって」


その疑問は、密かに彼を動揺させていたことなんてもちろん彼も誰も気づかなかった

唯一それに気がついたのは、幼なじみぐらい

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月25日 9時

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