314話 ページ14
✩
｢もしかして、Aちゃんって高い音が苦手？｣
｢うっ…そうです…｣
｢ふぅん。なるほどねぇ｣
何でだろう…
それでよく音痴って言われちゃうんだよね
いつからこうだったかは覚えてないけど、私小さい頃は割とみんなに褒められてたのに
りっちゃん達と一緒に歌ったり…
｢あっ！｣
｢…？どうかしたのぉ？｣
｢た、多分なんですけど。りっちゃんがよくそのパートで歌ってるのを聞いてたから…だと思います！｣
｢あぁ、それであんな変な歌い方になったのか｣
｢変でしたか！？｣
｢ありと言えばありなんだけど…少なくともAちゃんの声には合ってないかなぁ｣
うぅ…なんか恥ずかしい…
いやでも、こんなに指摘してもらえるだけ有り難いよね！
どんどん教えてもらおう！
｢よく考えてみてよ。くまくんの声とAちゃんの声、全然違うでしょ｣
｢た、確かにそうですね…！｣
｢体力作りはサボってないみたいだし、そのまま続行として…今度は歌唱力を磨いてくよ｣
｢はい！よろしくお願いします！｣
｢うん、礼儀正しい子は嫌いじゃないよ…♪｣
ひゃああああ、頭撫でてもらったあああっ！！！
心の中で喜んでいると、瀬名泉さんが基礎を色々教えてくれた
｢ここに力を入れて歌うの。さっきのサビ歌ってみて｣
｢は、はいっ！〜♪｣
｢はい駄目〜、全然力入ってない｣
｢えぇ！？あ、あれ…？｣
｢ここ触ってて。こうするの…｣
わっ、わわわ私が瀬名泉さんのお腹を…！！！？？
勝手にテンション上がってたら怒られる予感しかしないから、全力で心の内に留めておいた
…けど。瀬名泉さんが歌い出した瞬間、私はそっちに注目してしまった
すっごい力入ってる…
｢〜♪〜♪｣
｢す、すご…｣
｢こういうこと。分かった？｣
｢分かりました！ちょっと練習試合してみます｣
｢うん。そうしてみて｣
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月25日 9時
