26話 ページ26
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「やだ!出してお母さん!!」
「騒いだら近所迷惑になるでしょ!」
「ひっ…ご、ごめんなさい…」
お母さんが細長い棒(指し棒)でどこか硬い部分を叩く音を聞くと、私は全身に寒気を覚えた
その音を聞く度に、私は肩をビクつかせブルブル震えている
これが世間で言う一種の恐怖症に当てはまることを知るのは、もうちょっと先なんだけど
「ぐすっ…こんなん分からへんよぉ…」
涙は止まらないくせに、手は全く動かない
それはもうめちゃくちゃ泣きながら震えながら、私の心がボロボロになってた時だった
「…?」
窓からやたら刻みのいいノック音がする
ここは二階だから人がいる訳ないし、いつもみたいに野良猫がいるのかも
気分転換にカーテンを開けると、そこにはれいちゃんがいた
「え!?な、なにしとん…こほん!してるの?」
「やっぱりな。ていうかべつに、話し方変えなくてもいいのに」
「え、ちょっと…!くつはぬいでね?」
「はーい」
窓から入ってくるとか、この子どんな教育受けてきた…いや環境で育ってきたの?
野生か?森でライオンにでも育てられてたの?
れいちゃんは靴をベランダに置くと、そのまま私の部屋にずかずかと入ってきた
「かべうすいから、声は小さくしてね…!」
「はーい。あ、ここまちがえてる…って、なんで小学3年生の勉強してるんだ?おれもまだ習ってないぞ」
「習ってないのに、なんでわかるの?」
「う〜ん…おれはてんさいだからな♪」
な、なんやこいつ…
久しぶりにイラッときた
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2020年3月15日 0時