焦燥する騎士【あんスタ】 (ページ32)

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女性役ページ32

｢溺死と言ったら人間失格｣

｢それ女性だけだろ。人間失格と言ったらモテ男｣

｢モテ男と言ったら…あっ、薫ちん！｣

薫ちんって誰？

そう思ったとき、教室に誰かやってきた

｢アッメージング！！｣

｢ちょっ、待ってどうしたどうした｣

｢友也くんもたまには素敵な案を考えてくれますねぇ。さあAさん！一緒に舞台に立ちましょう！｣

｢なんで！？意味分かんない！ふざけんな死ね！｣

｢アイドルに死ねとか言うにゃよ…｣

噛んだのが恥ずかしかったのか、こほんと小さく咳をした

可愛いなぁ。その可愛さよこせよ

目でそう訴えると、なずなはブルっと肩を震わせた

｢今すごい悪寒が…｣

｢それより。なんでAが舞台に駆り出されるんだよ｣

｢女性役がほしいのですが、アイドル科の校舎には女性が二人しかいませんからねぇ｣

｢私じゃなくてもよくない？｣

｢彼女より貴女のほうが演技力ありそうですし♪｣

サンプルと言って見せてきたのは、それはもうフリフリのドレスだった

ドレスを見た瞬間、少し吐き気がした

…まぁ、それは言わなかったけど

｢絶対に嫌。そのともやくんで良いじゃん｣

｢彼が女装するのはもう日常茶飯事ですので、久しぶりに本当の女性でやってみたかったのですが…｣

｢う～ん…あっ！良いこと思いついた！｣

丁度よく教室にれいさんが入ってきたから、走り出した私はれいさんとぶつかりそうになった

｢うおっ、おいA前みて走りやがれこのクソッタレ｣

｢れいさんちょっと弟借りる！｣

｢…は？｣