ぽこんと一回 ページ6
｢安心しろ。危害を加える気はない｣
｢そうだろうなあ。俺が聞きたいのはそんな事じゃない｣
だろうな…
自分がポケットに入れた手を警戒してなのか、そいつはすぐに距離を詰めた
この男は殺せたとしても厄介だっただろう
｢(お嬢様のクラスメイトなのもあるから、殺しも出来ないのが更に厄介だな…)｣
｢どうして彼女を見張っているんだ。彼女に海外との繋がりは無いはずだろう？｣
｢…｣
｢白を切る気なら、吐かせるまでだなあ｣
あんまり気乗りはしないが…
数分間、自分はそいつと手合わせをした
｢ずっと守ってばっかりだが、どうしたあ？戦う意思がないならその手を止めて素直に口を開いて欲しいなあ…♪｣
｢(口の減らないガキだな…)｣
｢あの人はボディガードでも雇っているのかあ？それとも、Aさんのストーカーか？｣
しまった…！
｢図星だったのかあ？それは良いとして、勝負あったなあ…♪｣
｢いたーー！！！｣
｢…！？｣
｢うへぇっ！？なに、そういうこと！？わわわ、私別にそういう世界に理解あるからね！ただ生身で見ると刺激が〜…｣
｢(お嬢様の頭が幸せそうで良かった…♪)｣
馬乗りになっていた三毛縞くんが自分の上から退くと、お嬢様はぽこんと一回彼を叩いていた
なんて気の抜けた空気なんだ…流石すぎる
｢もう〜、私のお友達を私の許可なく襲わないでよ〜？この人の彼氏か彼女になりたいなら私に許可とってください！｣
｢あはは、これは悪いことをしたなあ…しかし、二人の共通点はなんだあ？｣
｢私とお兄さんはバイト仲間〜♪｣
｢…は？｣
そういう事にするのが、一番楽だと話し合った結果だった
｢それにしても、二人してどうしたの？なんか音がしたから急いで来たんだけど…｣
｢…Aさん。バイト変えた方が良いぞお｣
｢やだよ！？｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
