いかつい海外スーツ ページ43
｢ふむふむ…それじゃあ全員採用〜！｣
｢えぇ！？そんな感じで良いんすか！？｣
｢うん！人がまっったく手足りてないってのに、審査して厳選する必要もないしね〜♪｣
集団面接で、4人全員の履歴書を確認してからお嬢様はそう告げた
確かに今のままだと食堂すら開けない状態だからな
｢ニキくん嬉しい〜！私も食堂でバイトしよっかな〜？｣
｢でも大学生になるんですよね？勉強のほう応援するっすよ！｣
｢ありがとう〜！｣
｢身内だからって甘い審査してないだろうな｣
｢もちろんですよ〜！私はみんなに甘いので〜♪｣
佐賀美先生か
さっきまで高校生の、特に迫力もない温和なお嬢様だけが面接官だったからな
一気にびしっと応募者がかしこまり出した
｢終わったならA、あの〜…いかつい海外スーツ。SSでオーバーコート着てた人。今呼べるか？｣
｢タマくんのことっすか？｣
｢おぉ、そうそう。よく分かったな｣
｢なはは、いかつい海外スーツはあの人しかいないっすからね〜♪｣
自分に用があるのか？
すぐに駆けつけると、部屋で待っていた佐賀美先生が物凄く驚いていた
｢マジで盗聴器付けられてるのか…荷物検査の時引っかかるだろ。どうしてたんだ？｣
｢ん〜？あれ壊してありますよ〜？｣
｢器物損壊罪で訴えるぞ｣
｢わ、わわ、私がしたんじゃないですも〜ん…♪｣
｢来年から買い直すように頼むか…それで｣
彼は自分の前に立つと、目線を合わせた
｢一応確認なんだが、二人はどんな関係だ？｣
｢んん〜…いつもはバイトが一緒の人ってことにしてて、ほんとはゲートキーパーさんがくれたボディガードさんです｣
｢…｣
｢なるほどな…そのマフィアっぽい格好やめろよ〜？｣
日本語が通じない体で話している佐賀美先生は、わざわざ翻訳機を使って会話をしてくれた
…段々申し訳なく思ってくる反面、言い出しにくくなってきた
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
