高校生活最後の思い出作り ページ36
｢返礼祭〜？｣
｢そうそう。せなっちやもりっちもやるんでしょ｣
｢｢…｣｣
｢うちもだけど、何かと揉めがちなイベントでもあるかな…｣
返礼祭か…
三年生も残りわずかだからな
少し学校中が湿っぽい空気になっている
｢いいね〜！なら、私も出よっかな〜♪｣
｢｢…は？？｣｣
｢え？A、あんた…アイドルじゃないじゃん。ユニットの先輩が対象なんだよ？意味分かってる？？｣
｢え〜？楽しそうだからやりたい…だめ？｣
｢ダメじゃないぞ！むしろ歓迎だ！｣
え…
お、お嬢様…？？
｢要するにありがとうございました〜のイベントってことでしょ！なら私もやる〜！お世話になったからね！｣
｢説明されても全く思考回路が分からないけど、絶対盛り上がるから俺は賛成かな〜♪｣
｢かおくんはほぼほぼ毎回賛成してるじゃん｣
｢せなっちもそう言いつつ期待してるでしょ…♪｣
それは、通るのか…？
企画としてまず通るのか不安なんだが
同じ質問をしている蓮巳くんに、お嬢様は笑顔で断言した
｢もし通らなかったらゲリラにするからだいじょ〜ぶ！｣
｢よくも副会長の俺の目の前で言い切ったな｣
｢楽しいほうが良いでしょ〜♪｣
｢なんでこいつがプロデューサーなのか未だに謎なんだけど…｣
湿っぽい空気を察したのだろう
その姿は、まさにアイドルそのものだった
｢色々不安とか抱えてる子たちも、その時だけは全部忘れて楽しんでくれたら嬉しいな〜♪｣
｢アイドルじゃん｣
｢アイドルだね｣
｢アイドルだな！｣
｢う、うん…そうかもね…？｣
学校の中でなら何をしても大抵のことは許される
それを分かっているんだろう
これはお嬢様の高校生活最後の思い出作りでもあるんだろうな
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
