夕食を済ませながら ページ34
｢へ〜、知ってるんだ…そこが協力したいってさ〜｣
｢確かに、そこまで大きい事務所ならゴッドファーザーとの繋がりがあったとしてもおかしくない話だね｣
｢わっ！ほんとだ！私この子知ってる〜！｣
受験が控えてるとは思えないほど働かされて、可哀想すぎる…
夕食を済ませながら、彼とお嬢様は二人で今後について話し合っていた
｢君の名前はこれからどんどん大きくなっていく。生前のゴッドファーザーのようにね｣
｢私は平穏な暮らしがしたいから、いつかあんずちゃんに今の地位を全部任せるけど良い？｣
｢個人的には受け入れたくないけれど…言っても聞かないからね。それに、僕ですら君を止められない｣
｢買いかぶりすぎだよ〜｣
まるでワインでも淹れるかのように彼がぶどうジュースを注ぐと、お嬢様はそれを飲み干した
｢ぷはっ…ほんと、美味しすぎて舌がばかになりそう〜…｣
｢貧乏性の君にはファミレスの方が良かったかな？｣
｢うん、そっちの方が思いっきり食べれてた。高級食材は私に似合わないんだもん〜｣
｢ふふっ。謙虚だね｣
｢私はお腹いっぱい食べれない人を見たことないからね〜｣
見たことがないから、どこまでも節約しなければいけない
そんな風に世界中の人々が思えたら、どれだけの人が死なずに済んだのだろうか
｢Aちゃん一人がお腹を空かせて我慢しても、地球の裏の人までは救えないと思うよ｣
｢救おうなんて思ってないよ〜？ただ食が進まないだけ｣
｢本当に優しいな。丸くなったものだね｣
｢あはは、最近もそれ言われた…ありがと〜ね♪｣
皮肉に感謝すると、天祥院くんは少し不機嫌そうだった
｢彼がもっと早く、今の君のようになれていたら…どれだけの犠牲者が助かっていたんだろうね｣
｢昔の話をしてもどうにもなんないけど。きっと、凄くいっぱいの人が助かってたと思うよ｣
｢…｣
｢過去には戻れないから、今できることは反省して罪を償うことだけだよ〜♪｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
