彼に頼るのは意外だな ページ27
｢は？娘を彼氏でもない奴と同居させる訳ないじゃない｣
｢あはは…｣
｢それより勉強どう？受かりそう？｣
分かってはいたが、同居は無理があった
ボスから既に却下されていたが、ダメ元で母親に頼んでみたものの結果は惨敗
そりゃそうだ、お母様が正しい
自分だって見ず知らずの人とは過ごしたくないと思う
｢(もちろん、お嬢様は例外だが)｣
｢ん〜…どうしよっかなぁ｣
普段独り言を口にしないお嬢様が、珍しく一人でぼやいている
｢(恐るべき受験だな…)｣
｢お、お前…まさかカメラ付けてんの…？マジかよ…｣
｢許可はいただいた｣
｢いやそういう問題じゃねぇよ。モラルの問題だよ｣
お嬢様に監視カメラを付ける許可もいただけた事で、以前よりもより分かりやすくお嬢様の視点を見れるようになった
今までは遠くから望遠鏡で見ていたが
流石にどうにもできない時は数え切れないほどあった
｢あ、もしもし〜？いや間違い電話じゃないから！｣
｢え？珍しいね、Aさんが俺に電話かけてくるって｣
｢(自分の為にスピーカーにしてくれたのか…？)｣
｢お願いします！数学教えてください…！｣
｢俺より兄者の方が賢いでしょ｣
お嬢様は幼少期に本を大量に読んでいたこともあり、国語は得意なようで数学一つに絞ることにしたようだった
彼に頼るのは意外だな…
｢零くんもできるけど文系寄りでしょ〜？凛月くんのほうが数学は得意そうだな〜って。あと教えるのうまそうだから〜♪｣
｢口が達者だねぇ…誰かさんと一緒で。まぁ良いよ｣
｢やった！ありがとう〜♪｣
｢分かってるだろうけど、三年生の内容は知らないからね？｣
確かに、一つ下の学年ではあるけど同い年だったな
ていうか…
あの男は文系のイメージなのか…
｢うん！私が分かってないの一年生からだから！｣
｢よくそれで今の時期まで放置できてたねぇ…｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
