家に帰って ページ21
お嬢様が関わっているライブだ
自分もその後、家に帰ってはそのテレビを見ていた
｢お前アイドルに興味あんのかよ｣
｢お嬢様が関わっているんだ｣
｢ふ〜ん｣
この男がサボっていることはお嬢様も知っている
…が、今はどうでも良いな
こんな奴がいなくとも、お嬢様の護衛には自分一人で十分だ
それより…
｢(これがボスの敬愛する方が作った、国内最大規模のライブか)｣
『ジュンくん！いつまでもここにいたいのは分かるけど、もう交代の時間だね…♪』
『分かってますよぉ〜おひいさん…ガキじゃねぇんですから、そんな引っ張らないで下さい』
｢…あ、お嬢ちゃんの彼氏じゃん｣
｢何でこいつが…｣
海外にいるんじゃなかったのか
同じ学校の子達が出番を繋いでいるのか…
｢(お嬢様は、さぞ憎らしげに見ているんだろうな)｣
…まぁ、今夜ぐらいは見逃しておくか
今日いただいた休暇だと思って、あの男の犯罪に目を瞑ってやろう
あの猛獣め…毎度毎度お嬢様をあんな何時間も…！
『〜♪』
｢…ちっ｣
｢お嬢ちゃん大好き過ぎだろお前。嫉妬とかしても一生辛いだけだぞ〜このロリコン｣
｢あの方はボスの血を継いだ唯一の人間だぞ？｣
｢俺ボスのことそんな知らねぇし。お前と違って、幹部でも何でも無い普通の一般兵だからさ｣
お嬢様の代わりに、俺がこいつを報告してやろうか？
いちいち癪に障るな…皮肉ばっかりの怠け者め
｢…今日、お嬢様に怒られてしまった｣
｢マジで？珍し｣
｢最近、少し感情的になりすぎてしまう。少し頭を冷やしてくる｣
｢…えっ｣
さて、もう後は寝ながらテレビでも見るか
｢は？いやいや、なんで俺が？｣
｢もう寝る。後は任せた｣
｢めんどくせぇな…ガキのお守りなんか趣味じゃねぇぞ｣
｢どうせもう財布空で暇なんだろ｣
｢ぎくっ！…あ、そういうことか！何だよ良い奴だなお前！｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
