『おともだち』 ページ14
｢ぐずっ…ひっく…！｣
｢A！｣
｢え…？｣
え、え？
お、俺…めちゃくちゃお邪魔虫だよな？？
｢まってください！｣
｢な、なに？どうしたの？｣
｢やっぱり、このまま『はなればなれ』になるのはいやです…｣
｢…！｣
じ、自分は向こうに行って取りに行くか…
｢だいすきです…！A｣
｢あ…｣
｢また、ぼくと…『おともだち』として、あそんでくれますか？｣
｢っ…もちろんっ！！｣
｢わっ…！？｣
あの様子は、一度じゃないんだろう
離れているのに、盗聴器のせいでつい聞こえてしまう
｢ごめん…ごめんね…！もっとこれ、早く言えばよかった…！！｣
｢ふふっ、そんなことないですよ｣
｢そしたら私、奏汰くんと！もっといっぱい、高校生のうちに…遊べたのに…！おんなじ学校だったのに！ごめんなさいっ…！｣
｢なんでAがあやまるんですか…♪｣
何があったのかまでは、他人の自分には知らないが
｢(ずっと謝りたかったことだけは、自分にも分かる)｣
｢うっ…ぐすっ…！ほんとは卒業しても、大人になっても、友達がよかった！｣
｢もうぼくはにげません。これからは、ずっとなかよく…『おともだち』でいましょう♪｣
｢うん…私も、もう逃げない｣
｢…｣
自分がタオルを差し出すと、二人は打ち合わせをしていたのかと思うほど同時に
お互いの頭を拭いては、吹き出していた
｢あはは！考えること同じすぎ〜♪｣
｢かぜひいちゃいますよ…♪｣
｢それは奏汰くんのほうでしょ〜！｣
たった一瞬の出来事なのに、それだけでどれほど昔も仲が良かったのかまで理解できてしまった
｢(ていうか、雪降ってるのに噴水入って大丈夫か…？)｣
｢っくしゅん！｣
｢だ、大丈夫！？は…くしゅっ！｣
｢(予備の服あったかな…)｣
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
