まさか、こんな近くに ページ13
｢つい最近まで小学生だったのに｣
ん…？
お嬢様が独り言？
それは無いな、普段から一人の時にこんな喋ったりしていない
｢みんな、どんどん私を追い越してくんだぁ〜…背だけじゃなくって、色々とさ…｣
｢…｣
｢私、大学に進学することにしたの｣
｢…＿｣
お嬢様のそばにいるのに、噴水の音が邪魔をして聞き取れなかった
やっぱり、姿は見えないけど誰かはいるのか
｢(…噴水！？ってことは、まさか相手は…！)｣
｢本当にばいばいだね〜♪｣
｢…そう、ですね｣
｢これから忙しくなってきて、ちゃんと言えるか分かんなかったから。ちょっと早いけど伝えたよ｣
なるほど、そういうことか
｢周りに人がいると、どんな顔して奏汰くんと話せばいいか考えちゃうからね〜♪｣
｢ぼくもですよ…♪｣
｢あはは、やっぱり…癒されるなぁ｣
その口調が誰かを真似ているのは分かっていたが
まさか、こんな近くにいたとは…
｢A｣
｢ん？…わっ！？｣
｢もうにどと、はなすことはないとおもっていました…だから、ぼくに『こえ』をかけてくれて、ありがとうございます♪｣
｢…っ、私もだよ。話してくれて、ありがと〜ね…♪｣
お嬢様が、涙を流している…
自分の頭が追いつかない
お嬢様は自分に気がつくと、駆け寄ってきてくださった
｢あはは…ごめんね〜、うれし泣きだから…安心して…｣
｢…｣
｢あの子、凄く好きだった。でも、向こうは違う好きだったの｣
｢…っ！？｣
｢あんなに、仲良くしてたのに…っ、うっ…！｣
しばらく泣き続けたお嬢様を、自分は必死に何か良い案がないか考えながら慌てふためいた
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
