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3696話 ページ46

✩✩


「…!」

「白黒龍伝説が世間にあまり認知されていないのは、その話自体が禁忌だからなんじゃよ」

「執事さん。もしその話を知ってて、Aを見たらどう思います?」

「…自害しますね」

「いやまぁそうなる人もいるだろうけど!違う!」


白黒龍伝説では、その器に相応しい人…救世主(メシア)が現れるまでは適当にそこら辺を彷徨い続けるらしい

つまり…だよ


「その器がなくなれば、龍は実体化できない。てことは災いも起きないって考えになりません?」

「…殺すのか」

「そうじゃ。だから、あかりの嬢ちゃんも実際に命を狙われてきた訳じゃな」

「私は優しい心なんかなくてもなれる、比較的誰でもいい黒のほうですけど…」

「黒龍は、確か膨大な智慧と才を兼ね備えた者じゃないといけないらしいがのう?」


天才なんかどこら辺にでもいるでしょ

本当にいないのは、あの超純粋なAのほう

そもそもの性格も環境も、すべてが揃わないとあぁはなれない


「くっくっく…あかりの嬢ちゃんや、おぬしも悪よのう」

「時代劇ですか…」

「Aの正体を知っておりながら、救世主にMessiahという名前を授け二人で共に自分から身を投げ出すとは…」

「好きなんですよ。アイドルが」

「随分と難しい生き方を選んだのう」


アイドルが好きだから

それに、私は白龍に愛されるほどの器…Aに会いに行って確信したんだよね


「あの子は世界を変えられる、ってね…♪」

「本人はそんなつもり、さらさらないでしょうけどね」

「良いよ良いよ。気づかなくて。私がそうさせたいだけだし!」

「未だに利用されておるA可哀想…」

「私はずる賢いんでね♪」

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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年11月8日 19時

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