八話 ページ8
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「はぁ〜、美味しかった♪」
「「…」」
「あ、あの…なんでこんなに僕は囲まれてるんすか?」
「あいつがニキを狙ってるからだっつうの」
よく分からないけど、歩きにくいっすね〜…
さっき肉をくれた乙狩くんまで何故か僕を守ってくれてるし
「わっ!?」
「…いや、これはフェイクだな」
「そうなのか?しかし、一応警戒しておくべきだろう」
「その心配はねェよ。あいつはこうやって敵の集中力を削いでから、弱った一瞬の隙を狙う。気を張ってても無駄だ」
「…詳しいな。燐音先輩は」
僕が料理の仕込みをしてる間、二人は僕の近くでずっと会話を続けてたっす
「まァな。あいつの仕掛けは昔から本当に単純で、俺っちとそいつはいつも合わなかった」
「…」
「俺っちが罠を仕掛けるのに対して、あいつはイノシシや鹿でも直接自分で捕獲しようとするんだぜェ?笑っちまうだろ♪」
「俊敏な生き物ばかりだが…」
燐音くんのお嫁さん、本当に強い人なんすね…
ていうか、そんな生き物を捕獲しようと思わないんすけど
「それでもあいつは真正面から戦うんだよ。どんな集中力のある動物でも、一瞬の隙を見つけて…」
ふぁ、あふ…
段々眠くなってきたっすね
二人の会話を聞いてるからなのか、余計に眠く…
「…!?おい、ニキ?」
「なっ、どこに消えたんだ?」
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2022年7月30日 14時