36話 ページ36
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｢こういうのとか、こういうのが届いてて…｣
｢うわっ…凄い量だな。こんなのもうファンレターだろ｣
｢私はアイドルじゃないよ…｣
家に着くと、今まで溜めてきた色んなものを真緒くんに見せた
｢これは今すぐにでも警察に通報するべきだ。むしろ、なんで通報しなかったんだ？｣
｢それが、その…動画を撮られてて…｣
｢動画？｣
｢あっ…え、えぇと…｣
ま、真緒くんに私の裸を見せるわけには…
真緒くんの目を汚したくない！！
でも、真緒くんは真剣な顔で私にお願いしてきた
｢俺にも協力させてほしい。Aの力になりたいんだ。その、やっぱり俺じゃだめ…か？｣
｢だめじゃないです！！｣
｢ほんとか？嬉しいよ、ありがとな…♪｣
｢…はっ！え、ええと、その…こ、これです！｣
｢こ、これは…｣
ごご、ごめんなさい…ごめんなさい！
私がずっと警察に通報できなかった原因の動画を、真緒くんに見せてしまった
｢お風呂以外にも、トイレとか…着替えとかも撮られてて…そ、それで…｣
｢う、うん。そっか、察しが悪くて本当に申し訳ないです…｣
｢ぐすっ…全然、大丈夫です…｣
こんなのネットに晒されたら、お嫁に行けない…
｢いや…お嫁にもらってくれる人もいないんだけど…｣
｢そんな訳ないだろ｣
｢え？｣
｢あっ…いや、否定するつもりは無かったんだけど…Aは優しいし、家事も仕事もしっかりできるし。むしろお嫁に欲しい人のほうが多いと思うぞ…♪｣
｢いやいや！それは真緒くんのほうでしょ！｣
そのまんまそっくり返すよ！
私がそう言うと、真緒くんは嬉しそうに照れていた
この人、何しても尊い…
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年6月27日 10時
