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35話 ページ35
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｢特に異常も見つからなかったから、今日中に退院できることになったんだ。それで、俺が送る流れになってさ｣
｢ご、ごめんね…迷惑かけて…｣
ちょうど赤信号になって車が止まると、真緒くんはまた私の頭を撫でてくれた
撫で方がハンマーの人にそっくりで、少し身構えるとすぐに手を離してくれた
そんな、嬉しいのに…
｢おっと…ごめんな、馴れ馴れしかったよな。それと、全然迷惑なんかじゃないぞ｣
｢え、えっと…迷惑じゃないなら、もう少し撫でてほしい、です｣
｢あはは、任せとけ…♪｣
｢はうっ…｣
お願いすると、真緒くんはいっぱい頭を撫でてくれた
あっ…信号変わった
｢頭撫でるのはちょっと待ってろよ〜｣
｢も、もう満足です！｣
｢い〜や。後でもう一回撫でさせてくれ。俺も癒されたいし…♪｣
｢…？｣
｢さっきはあんなこと言ったけど。俺も、あいつのこと本当は信じてたから…今でもちょっと信じられなくて、戸惑ってる｣
そう、だったんだ…
確かにそうだよね
だって、病院では凛月さんを信じてる風な言い方をしてたし
｢まさか、あそこまでしてたなんて…あいつがAを病院から連れ去ったときは、本気で焦ったよ｣
｢ひっ…｣
｢ほんと、すぐに気がついて良かった…♪｣
｢あ、ありがとう…本当に助かりました…！！｣
私、真緒くんがいなかったら今頃、冗談じゃなくて本当に森とか山とかに埋められてた気がする…
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2022年6月27日 10時
