王道より王道だそうです ページ17
衣更side
お、おいおいおい…
この展開はまずいぞ…！
｢ふふっ、あの燐音くんがこんなに大きくなってたなんて…声も凄く変わったね。今まで心配してたんだよ｣
｢そりゃ声も変わるだろ。きゃはは、Aちゃんは相変わらず世話焼きなんだなァ♪｣
｢そうかな｣
｢あァ、頼んでもねェのに色んな技を教えてくれたりとかさ｣
｢あの頃は誰かに教えたくて仕方なかっただけ…｣
突然現れた幼馴染みと恋に落ちるなんて、俺の考えてた王道より王道じゃないか！！
そ、それは困る！
どうにかして俺に気を引かないと…！
｢あ、真緒｣
｢なんだ！？｣
｢…？これから燐音くんと手合わせするんだけど、見る？｣
｢見たい！…って、戦うのか！？｣
いくらAでもこんなでかい人相手には…
いや、さっき物凄い綺麗な背負い投げをかましてたけど
｢大丈夫だよ。怪我はさせないから｣
｢ぎゃはは！自信満々だねェ♪良いぜ、本気でかかってこいよ｣
｢燐音くんこそ。昨日は遅れを取ったけど、私はまだ負けを認めてないから♪｣
｢余計なもんが昨日はくっついてたしなァ。殺す気でいくぞ♪｣
｢お、おい！｣
これはあれだろ！？
よくある喧嘩して最後には一緒に夕日まで走ってくやつだろ！？
それは恋愛漫画じゃなくて少年漫画の王道だぞ！！
｢師匠が亡くなってから、みんな雑魚ばっかで…身体が訛ってたから嬉しいな♪｣
｢今から負けた時の保険かけとこうってか？｣
｢違うよ。楽しみって言いたいの…♪｣
｢お、おまえら…頼むから怪我するなよ…？｣
それじゃあ今の俺は、何ポジなんだ…？
続く (更新停止中)
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年6月14日 16時
