天ノ弱【呪術廻戦】

・ ページ20

『……傑くん』



信じられなかった


傑くんが集落の人間、
両親までも手にかけていることに




由紀さんの言う通り

しっかりと見ていれば良かったと

後悔した…


『忙しかったからじゃ

許されないよ……


術式を使ってれば

止められたかもしれないのに…』






何度も何度も後悔をした



目的もなく歩いていたのか



何故か新宿まで来ていた




『……大切な人の心ですら

救えずに守るとか言って


自分バカじゃん…』



そんなことを考えていると


｢A｣


不意に名前を呼ばれ


後ろを振り向く



｢……｣

『……』




無言が続く



振り向いた先には


傑くんの姿が



…









『……何で相談してくれなかったの』









夏油｢…ごめん｣









『あの時傑くんが


守るべき人に自分は入ってるのかって

聞いたのは……

何で？？』









夏油｢………ごめん｣









『なんで……









そんなに悲しそうなの…』









夏油｢………A｣








『…っなんでなのっ？？』





泣きそうになる







夏油｢………A






私と一緒にいかないかい？｣





『っ…』




夏油｢あの日から私は


ずっと考えてきた…


考えて考えて……たどり着いたのが



術師だけの世界をつくることだった





そうすればもう…



誰もいなくならずに済む｣









『……確かに術師だけの世界だったら



大切な人は居なくならいかもしれない



それはとても理想的で




好ましいよ……







でも私は……







傑くんには着いていけない






非術師を殺すなんて






私には分からない





呪いが消えたとしても……




絶対に理解できない』

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