I want to live quietly (ページ36)

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新たなスタンド使いの影ページ36

｢お、美味しい～｣

熱々のラザニアの生地にミートソースとチーズが絡まって、口の中で絶妙なハーモニーを奏でる。

はふはふと口の中を冷ましながらAはゆっくりとラザニアを飲み込んだ。

｢露、露伴先生…あなたは天才ですか…｣
｢まあな。知ってる。｣

当然のように胸を張り、露伴は徐にスケッチブックを取り出す。

｢ろ、露伴先生…？｣
｢いや、君はそれを食べてるだけでいいよ｣
｢分かりました。｣

Aがもうひと口ラザニアを頬張り、また顔が幸せでふやける。露伴はそんな彼女の顔を高速でスケッチしていく。

｢…うん、自然でいい表情だ。協力ありがとう｣
｢えっ、スケッチしたんですか、今の…｣
｢…む、美味いな、これ。｣

(スケッチブック取り出した時点で何となく気づいてたけどさぁ…)

露伴はスケッチブックをしまうとラザニアを口に入れて、少し驚いたように言った。

.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*
ジリリリリリリン…

｢A、悪いが取ってもらえないか？｣
｢分かりましたー…はい、岸辺です。｣
｢その声は、Aですか？｣
｢そういうあなたはジョルノ？嬉しいなぁ、また話せて！｣
｢そう言って貰えて僕も嬉しいです。電話に出たのが君で良かった。露伴だったらすぐに電話を切られてしまいますからね。｣
｢あはは…｣

Aが苦笑すると、ジョルノは本題に入り始めた。

｢あの…A、スタンド攻撃を受けたりはしていませんね？｣
｢?されてないと思うけど…｣
｢この間ついに裏切り者のひとりを捕まえたのです。そこで尋問した所、君を拉致するためスタンド使いを1人、日本で生み出したと吐いたんです。｣
｢っ…ほんとに？｣
｢えぇ…ですから僕は近いうち日本に行きます。君を守るために。｣
｢私を、守るため…？｣
｢はい。だから―――｣

だから君は、安心して楽しい学校生活を送ってください。

ジョルノはそう言って、A自身のスマホの電話番号をAに教えてもらった後電話を切った。

(守るために…)

ハッキリとそう言ったジョルノの声はいつも以上に真剣で…

(カッコイイ…)

両手で顔を抑え、ズルズルと壁伝いにしゃがみ込んだAに向かって、皿洗いをしていた露伴が｢誰からだったんだー？｣と声をかけたがAは気が付かなかった。

(私は幸せ者だ…ジョジョの世界で、あろうことがジョルノに守るなんて言われてしまった…)

みっちゃんや汐穏ちゃんに教えたらなんて言うだろう。

(…やめよう)

思い出すのは。