I want to live quietly (ページ30)

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名所巡りページ30

校内に入り、教室が違う仗助と康一の2人とは別れて、由花子と億泰と共に自分のクラスに入る｡

途中で走ったおかげか、時間にだいぶ余裕を持って着席することが出来た。

由花子と億泰に、週末仗助と康一も入れた5人で遊びに行こう、だとか、露伴はどんな様子か、なんて話をしていると、急に扉が開き、担任が入ってきた。

チャイムは鳴っていないが、とりあえず席に戻ることにした。
担任は教卓に手をつくと、｢残念なお知らせがあります｣と話し始めた。

｢今月の10日、菊池玲さんが転校することになりました。｣

あまりにも唐突。
クラスは一瞬静まり返ったあと、急にざわつき始める。ご多分にもれず、Aと億泰も目を見合わせて驚いた。

｢お、おい…菊池ってよォ～アイツだよな？おめーを学校案内したやつ…｣
｢そうそう。転校しちゃうんだね…｣

席の後ろの方で、やっぱり表情を変えない彼がそこにいた。その顔を見たら、あの夢のことを思い出した。

なんだか、妙だ

あんな夢を見たすぐあとに転校？

少しタイミングが良すぎるのではないか。

あれが夢でないのなら、彼はスタンド使いなのだろうか。感情の読み取れない表情の菊池玲を見つめていると、目が合ってしまった。

それでも、彼に何ら変化はない。

考えすぎか…と背もたれに背をあずけ、Aは大きく伸びをした。

もうあのことは忘れよう。
神経に負担がかかってあんな変な夢見たんだ。

｢菊池玲のお別れ会｣を開こう。
誰かが言い出して、9日にお別れ会が開かれることになったところで

予鈴のチャイムがなった。

.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*
｢あっ、Aさーん、こっちこっち！｣

学校終わりの放課後校門前、スマホで収集をかけた仗助と康一がこちらに向かって手を振った。

｢よし、全員集まったわね…｣
｢じゃあ今日はAさんに杜王町を紹介して回るよ！｣
｢わーい！ありがとねみんな、部活とかないの？｣
｢皆帰宅部だよなァ｣
｢おう｣
｢へぇ～｣

そんなことを話しながら校門を出た5人は、杜王町の名所(・・)を回った。

｢ここがアンジェロ岩。｣
｢アンジェロ…岩?｣
｢ほら、ここ顔みてーになってるだろ?｣
｢うん｣
｢ここに殺人鬼が埋まってんだよ｣

Aが、まるで｢うっそだぁ｣とでも言うように､面白そうに｢えぇ～?｣と言った。もちろん、かの有名なアンジェロ岩が見られてAは大興奮だったが、さすがに｢知ってるよ｣なんて言えないので、あえてのこの反応である。