I want to live quietly (ページ25)

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カレーページ25

スマホを手に取り、イヤホンをつけて好きな音楽を聴く。
今日Aには、膨大な量の宿題があった。

それは、教材に名前を書くことである。

少しでも気を抜けば水咲と書いてしまいそうなので、1度シャーペンで薄く書いてからペン入れをした。ので…

(普段の2倍はかかるよォ)

しかも教科書だけでなく、教科ごとのファイル、ワークなども配布済みであるため、Aが1度に名前を書かなければならない量は半端ではなかった。

｢耳元で好きな歌が流れてなきゃあとてもできない作業だわ…｣

一旦休憩、とイヤホンを外して伸びをすると、ドアからノック音が聞こえてきた。

｢はーい｣
｢夕食の準備が出来たぞ｣

ガチャ、とドアを開けると、そこにはエプロン姿の露伴がいた。

｢夕食を二人分作ったのなんていつぶりだろうな｣
｢いつも自炊してるんですか?｣
｢え、気になる所そこなのか｣

だって奥さんもいないんでしょうし、とAが言うと、露伴は少し面食らったような顔をしてエプロンを外した。

｢何を作ったんですか?｣
｢見れば分かる。｣

.☆.｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*..☆.｡.:*

｢カレー…?｣
｢あぁ、そうだ。｣

リビングに入ると、ふわり、とカレーの良い香りが2人の鼻腔を満たした。

｢君の好みがわからないから、子供(ガキ)の好きそうなものを選んだ。｣
｢いや…子供って…でも、美味しそうですね｣
｢そうか、それは良かった｣

露伴は自慢げに笑うと、二人分のカレーが用意された机に着いた。

｢さ、君も座れよ｣
｢あ、はい。それでは…｣

｢｢いただきます｣｣

カレーをひと口食べた瞬間、口いっぱいに香ばしい香りが広がる。ピリリとしたスパイスが効いていて、深いコクも有る。文句なしに…

｢うん、やはり美味いな｣
｢美味しいです～｣

そう言い合うと、Aと露伴は顔を見合わせ笑顔になった。仗助やジョルノと一緒にいる時とはえらい違いだ。

(これは…ものすごく…)

＿人人人人人人人＿
＞レアなのでは!?＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y￣

Aがまじまじと自分を見つめていることに気づいた露伴は｢なんだよ｣と急に笑顔を引っ込めた｡

｢いや…露伴先生すごい笑顔だったから、珍しいなと思って｣
｢オイオイオイ、なんだよその言い方、まるで今まで僕のことを見てきてよく知ってるみたいじゃあないか。｣
｢いやぁ､この数日でなんとなく思っただけですよ｣

さすが漫画家の岸辺露伴、鋭い。

そんなことを考えながら、Aは笑顔で首を振った。