I want to live quietly (ページ17)

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傷つけないでページ17

｢彼女には、彼女なりの事情があります。｣

その理由を今ここで話すことは出来ないこと。
深く詮索しないで欲しいこと。
そして、普通の人と同じように接して欲しいということ。

｢気を使わないで欲しい。そう、彼女は言っています｡｣

騙り終わったジョルノが一息つくと、最初に声を上げたのは、以外にも露伴だった。

｢何があったのかは知らないが、ここにいる連中はそういうことをするやつじゃあない。心配することは無いさ…だがな。｣

｢この岸辺露伴、マンガ家として今ものすごく好奇心が刺激されているのだが｣
｢もう少し自重してください露伴先生｣

康一に突っ込まれて露伴はだんまりを決め込む。ジョルノは呆れたように言う。

｢あなたはもう少しプライバシーってものを尊重した方がいいと思いますよ。彼女を傷つけるようなことはしないでください。せめてあの子が自分で話せるようになるまで、待ってください。｣
｢年下のくせに命令口調で喋るなよ｣
｢立場的には貴方より上ですよ｣
｢なんだって！？｣
｢ちょ、ちょっと二人とも！｣
｢よし決めた！僕があの子を保護する！何がなんでも話を聞いてやる！｣
｢｢下心丸見え！｣｣

仗助達がドン引きし、ジョルノが何かを言いかけた時に、突然Aが戻ってきた。

｢あースッキリした｣
｢そんな良く寝たみたいなノリで言われても｣
｢体調は大丈夫？｣

心配そうに聞いてくる由花子を見て、Aは

(由花子さんって意外と優しいんだなァ)

なんてめちゃくちゃ失礼なことを考えながら、大丈夫だよ、と笑った。

｢むしろスッキリしたよ。なんか色々吹っ切れた。｣

一つ伸びをして、深い深呼吸をする。

大丈夫。なんとでもなるさ。

そんなふうに考える。

忘れた訳では無い。今も目を閉じれば鮮明に思い出される赤い景色。けれど、そうでもしなければ、涙は永遠にとまらない。

Aはそう思った。

｢大丈夫。｣

もう一度口に出し、みんなに向かってにっ、とわらってみせる。すると、露伴先生が口を開いた。

｢なあ君…あー…A。行くところがないなら、僕の家に来るか？｣
｢へっ？｣
｢部屋も余ってるし、一人で住むには少々大きすぎる。君がよければ、是非。｣
｢ええっ！？いいんですか？｣

Aが驚いて聞き返す。

(あの人間嫌いの露伴先生が人を自分の家にいれるだって！？何があったんだ…しかしこれを断るのは…二つに一つだし…)

｢よろしくお願いします！！｣

そう言ってAは勢いよく頭を下げた。