似た者同士 4 ページ32
バンッと荒々しい音を立てて勢い良く開いた扉。
そちらを見た後、振り返ると既にバーボンの姿は無かった。
「逃げたようね」
「チッ、追えウォッカ!」
慌てて後を追ったウォッカを見送っていると、突然僕の携帯の通知音が倉庫に響く。
思わずびくついたがすぐに携帯を取り出して内容を確認する。
あぁ、ベルモットに来るはずだったあれね。
「ジン、どうやら冤罪みたいだよ?」
そう言うと、ジンのキールに向けていた銃口を下ろして視線が此方へと向く。
「どういう意味だ」
「ラムからの伝言ですよ。キュラソーからバーボンとキールは白だったってメールが来たんだってさ。でもこれが本当にキュラソーからのメールかは分からないから引き続きキュラソー奪還に動け、だそうで」
「なるほどな、おいウォッカ戻ってこい。コルン、キャンティと合流してキュラソーを追うぞ」
ジンはそれだけ言うとキールを一瞥し、倉庫を後にした。
夕焼けの差し込む倉庫内に沈黙が流れる。
やがて先程から壁に寄りかかって見ているだけだったベルモットも、僕とキールを見た後「貴方は彼女を見張ってなさい」と言って倉庫を出ていった。
後を追って倉庫を出てみるが、もう外には気配はない。
よし、本当に僕だけだな。
「ねぇ、それで隠れてるつもり?バーボン」
ハハッと笑って彼の隠れている方をみれば、しばらくして観念したようにコンテナの裏から現れた。
その双眼は訝しげに細まっている。
「……知っていたのなら何故ジンに言わなかったんですか?」
「僕は元々白なことを知っていましたし。それに君は優秀だから死なせるのは勿体無い」
僕の言葉に更なる警戒心を見せるのを無視して"ある物"を投げつける。
素早い動きでキャッチした彼は、手の中に収まる物を見て此方を睨み付けた。
「どういうつもりですか」
「追うんですよね。まさか走って東都水族館まで行くつもりで?」
彼の指につまみ上げられてるのは、彼の愛車RX-7のキー。
ここに入る前に僕が取り上げたものだ。
数秒の沈黙。
逡巡していた彼も何か結論が出たのか、曖昧に笑った。
「……貴方ってそう言うところありますよね」
「さてね。何の話か分からないよ、バーボン」
そう言って彼に向けていた視線をキールへ向け、キールの手錠を解除するために奥へと戻る。
安室さんは僕の様子を少しの間眺めていたが、少しして車へと走っていった。
後は、観覧車を止めるだけだけど…。
A、無事かなぁ。
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白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
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