似た者同士 3 ページ31
「随分と早いお帰りだことで。リースリングの始末はどうなったんです?」
そう言い放てば、ジンは此方を見てハッと鼻で笑った。
「てめェと違って裏切り者に与える慈悲はねぇ」
「別に慈悲を与えてるつもりはないですよ?ただ、優しくしておけば後で手を下すときの反応が楽しいから優しくしているだけで」
そう笑って言えば、気持ち悪いものを見るような目で、それでいて信頼した瞳が静かに伏せられる。
先に言っておくと、僕はジンと仲が良い。
ジンはバーボンやベルモットのような秘密主義の奴が嫌い。
対して虹橋菖蒲は一切隠し事をしていないし、与えられた仕事は完璧にこなす。嫌われる要素がないからね。
そして僕自信、ジンの事はそこそこ好きだ。勿論キャラクターとしてだけど。
となれは、仲良くなるのは必然だろう?
「……毎度毎度のことだが、良い趣味だなランビック。まぁいい、そろそろ裏切り者の始末といこうじゃねぇか」
僕から視線を反らすとほぼ同時にジンが発砲した。
慌てて駆け寄ろうとしたが、撃たれた先を見てその足を止める。
カランと無機質な金属音が響く。
撃たれたのはキールの左肩。
そして先程響いた音はキールが手錠を外そうと目論んでいたであろう証拠、針金だ。
「まだ容疑者の段階で仲間を!」
そう叫んだバーボンの額には冷や汗が伝っている。
なんならこの場で何の反応も見せてないのは僕とジンだけか。
はぁ、とため息をついてキールへと歩み寄る。
「ジン、気持ちはわかるけど無闇やたらに発砲しないで欲しいね。キールもバーボンも優秀なのだから、白だったら惜しい痛手になると思いません?」
そう言って彼らの前に立ち塞がる。
少し心配になってキールの様子を見るが、致命傷ではなさそうで安心して胸をなでおろす。
その様子を見て、ジンが何時もより通る声を張り上げた。
「そこをどけ、ランビック」
ゾクッと良くわからない何かが背中を伝う。
思わず振り返れば、ジンが二人に向けて拳銃を構えていた。
「何を……」
「1分やる。どちらが本当の裏切り者か吐け。ウォッカ、カウントしろ」
「了解!」
まぁそうなるよね。なんて思ったことは胸のうちに秘めて、カウントが始まると同時に静かにキールから離れた。
やがてカウントはゼロになり最初に銃口を向けられたのは原作通り、バーボン。
そして、引き金を引く寸前で天井の照明が落下し、倉庫は闇に包まれた。
1231人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ