鳥 野 高 校 排 球 部 × ク ー ル 系 マ ネ

#迷子 ページ10

＊youside




テーピングが切れたため、買い出しに来たはいいのだが…


『……ここ、どこだろう』


いつの間にか知らない道にいる。
いきと同じ道をたどってきたつもりだけれどどこかで間違えたのか。
困ったと思い、スマホを開いて確認しようとした時だった。


「…ん？…うわｯ!?あの子めちゃくちゃ可愛くね!?」


「あ？…うわ、やべぇ。めっちゃ可愛い」


ﾎﾟﾝ


誰かに肩に手を置かれる。


『？』


振り返ると2人の男が立っていた。


「君、めちゃくちゃ可愛いね。モデルか何か？」


「このあとご飯食べいかない？俺たち奢るからさ」


いきなり話しかけてきたと思ったらよく分からないことを言っている。


『ごめんなさい。部活中なので』


そう言って歩きだそうとした時だった。


「!?おいｯ!!待てよｯ…!!」


『…!?』


ｸﾞｲｯ


思いっきり手を引っ張られてしまいその拍子に転んでしまう。


ﾄﾞｻｯ…


「うわ、転んじゃったぜ…？」


「いやいや、君が勝手に行くからさ…」


『……』


さすがに困る、と思っていると…


「…おい」


『…！』


聞いたことはあるがいつもより断然低い威圧するような声が後ろから聞こえた。


「…あん？なんだこのチビ」


「…誰だお前」


『…西谷』


後ろを振り返ればそれは怖い顔をした西谷がいた。
そして私を庇うように前に出てくれた。


西谷「お前ら、今、Aさんを転ばせたのか…？」


最初は西谷をバカにしたように見ていた男2人組だが西谷の気迫に圧倒されたのか少し青ざめている。


西谷「どれだけのことをしたか分かってんだろうなァ…!?」


西谷がそう大きい声でいえばすっかり2人組は震え上がっていた。


「お、おい。もう行こうぜ」


「あぁ…！」


2人はそういうなりしっぽを巻いて逃げ帰って行った。


西谷「あ!?おいｯ…!!」


西谷が追いかけようとするがその手を掴む。
するとﾊｯとしたように未だ座り込んでいる私の前にしゃがんだ。


西谷「!!…Aさんｯ…!!すんませんｯ!!俺がもう少し早く来てたら…!!」


そう悲しそうに言う西谷。


『ううん。助けてくれてありがとう』


西谷「(…クソｯ…。もう少し早かったら…)」


未だ俯いている西谷に言う。


『それより西谷、どうしてここに？』


西谷「！…あぁ、部員を代表してお迎えに上がりましたｯ!!」


そういう西谷に申し訳ないと思いながらも実際迷っていたのは事実だったため、何も言えないのだった。









＊

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