プロローグ ページ1
2月某日、とあるスタンドについて調査すべく、アメリカのテキサス州ダラスへと足を運んだジョセフ・ジョースターは、到着初日からとんでもない拾い物を得た。
事の顛末を説明しよう。
ダラスの空港へ降り立ったジョセフは、送迎の車を探そうと目線を移していた途中、ゴミ箱の横にゴミ袋を置いていく女が目に入った。
女は止めていた車にさっさと駆け込んだかと思えば猛スピードで走り去り、あっという間に見えなくなってしまった。
ただのゴミであれば特に気にするものではないが、ジョセフはやけにそのゴミ袋が気になり、駆け寄って開けてみると、小さなそれがいた。
土や埃で汚れた体は痩せ細っており、呼吸をしていることが奇跡と呼べるほどであった。
特にその時その時の縁を大切にするジョセフは、先の拾い物を無碍にすることなど到底できず、目的地である知人の施設へと持ち帰ることに決めた。
送迎の車が見えたところで、拾い物を抱きかかえながら勢いよく乗り込み、ジョセフは急ぐよう運転手に伝える。
漸く施設へ到着し事情を話すと、急なことにも関わらず、知人は嫌な顔一つせずジョセフ達を迎え入れてくれた。
知人の部下が慣れた手つきで優しく汚れを落とした後、柔らかなタオルで丁寧に包み込み、食事を摂らせる。
暫くして少し落ち着いた頃に精密検査が行われたところ、栄養失調の他にとある事実が発覚してしまった。
「さてこの子のことだが…」
「ジョセフ様、私が養子として迎え入れてはいけませんか」
知人の申し出により、拾い物の処遇が迅速に決定した。
この拾い物がジョースター家の重要人物になるのは少し先のお話。
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作者名:みかんどっとこむ | 作成日時:2021年7月27日 0時