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救いの両手39 ページ16

「おやァ、アンタは確かAじゃなかったかい?」

『あ、…………はい、どうも………』


……………私って、どうしてこうも探偵社員との遭遇(エンカウント)率が高いんだろう。



任務も無く、一日中非番な私は、切れかけていた日用品を補充する為に買物をしていた。


買物が一段落して、何処かで休憩しようと思った矢先、これだ。


「アンタの事最近見ないから心配したんだよ?そう言えばこの間はうちの探偵社員が世話になったみたいじゃないか。御礼に茶でもどうだい?」

と、お誘いをされてしまっては、無下にする事は出来ない。

私は大人しく遭遇した与謝野さんに着いて行く事にした。


カランカランと扉鐘(ドアベル)が鳴り響いたのは喫茶店うずまき。

ああ_____また中原さんにバレたら説教だ。


店主(マスター)、珈琲頼むよ。で、Aはどうする?」

『あ、私も同じでお願いします』

「畏まりました」

相変わらず、白い包帯が巻かれた店主の親指に自然と目が行ってしまう。


「気になる?」

『え?』

店主(マスター)の包帯だよ」

『ああ…はい。何処か怪我でもなされたんで?』

「チンピラ阿呆共にやられてねェ、妾達が助けたんだ」

『そうだったんですか』

どうやら店主の包帯にはそんな理由があったらしい。


何処か気まずい空気が流れ、視線をさ迷わせていると、

「そう言えば、アンタにはイイ感じの男は居ないのかい?」
『ゴホッ』

その質問に、私は噎せ乍も何とか珈琲を胃に収めた。

「おやァ?その反応はいるねェ。で、どんな男だい?」

『ケホッ……。居ませんよ。何というか、恋愛感情がいまいち良く分からないと言いますか』

そうだ、私は恋愛感情が解らない。

初恋すらまだなのだ。他人の恋愛には敏感でも、いざ自分となるとまるで駄目なのだ。

人間って不思議。

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- 更新読みましたー女子キャラの会話に和みましたー次の更新も楽しみにしてますー (2016年12月11日 0時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
キジトラ(プロフ) - 藍さん» 毎度見ていただいて、ありがとうございます(o^−^o)頑張りますね*\(^o^)/* (2016年12月10日 20時) (レス) id: 7a1a6ed2e9 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新読みましたー銀ちゃんマジ可愛いですー本当待ってましたー中也さんの出番はまだですかー?まぁいつでも良いのでー更新頑張ってくださいー待ってますー (2016年12月9日 18時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
- 更新読みましたー女子会可愛いですーでもーミーの個人的にはー銀ちゃんが好きですー中也さんの活躍楽しみにしてますー更新頑張ってくださいー (2016年12月2日 3時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
翟虎猫(プロフ) - 藍さん» ありがとうございます(*^^*)もっとかっこよく書けたら良かったんですけどね………(´ヮ`;)更新頑張ります! (2016年11月20日 21時) (レス) id: 7a1a6ed2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルフ | 作者ホームページ:アルフ  
作成日時:2016年10月24日 2時

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