救いの両手を差し伸べられるなら。２

救いの両手３８ ページ15

苺のパフェを頼み、序に自分の珈琲もおかわりする。


コツリと控えめな音を立てながら目の前に置かれた苺のパフェ。

甘い匂いが漂う。


それをキラキラした目で見詰める鏡花ちゃんはめちゃんこ可愛らしい。


『食べても良いですよ』


微笑ましくて、そう一言云えば匙を持って氷菓を掬う。


パクリと口に含む。


｢……！美味しい｣


頬を桃色に染めて、嬉しそうな顔をする。



本当にこの娘はマフィアだったのかと疑ってしまう程。


ああそっか、敦君のお陰だったっけ。


鏡花ちゃんの恩人が敦君かー。

面白い組み合わせだ。相思相愛だったら私も嬉しい。



不意にカランカランと、入店を知らせる扉鐘(ドアベル)の音が静かな店内に響き渡った。


｢あっ、居た！鏡花ちゃん………って、あれ？貴女は……？｣

どうやら鏡花ちゃんを探していたらしい。


そして隣に座る私に目を向け、それを大きく見開いた。


『あ、こんにちわ』

｢あ、どうもこんにちわ。Aさんでしたよね！お久し振りです｣

警戒心の無い無邪気な笑顔に安心する。あれ？バレてない。


『久し振りですね。あ、鏡花ちゃんを捜していたんですか？』

｢あっ、はい！もー、勝手に居なくなっちゃ駄目だよ？！｣

｢甘い物が食べたかった｣

｢なんだぁ、それなら買ってあげたのに｣

矢張りこの二人は可愛い。


何と云うかこう、ほんわかと云うか、ほっこりすると云うか。


何とも可愛らしい癒しだ。


さて、珈琲も飲み終わったし、中原さんに叱られたくないし、邪魔者はさっさと退散するべし。


『あ、お金此処に置いて行きますね。』

｢あっ、いえそんな、悪いですよ！｣

『ふふ、可愛らしいものを観させて貰ったので、その御礼に。敦君、頑張ってね』

｢へっ、えええ？！｣


慌てる敦君に、鏡花ちゃんが代わりに一言。

｢有難う、A。パフェ美味しかった｣

『それならよかった。』



店主(マスター)に会釈をして、店内から外へ。


そう言えば、店主(マスター)の親指に包帯が巻いてあった。何故だろう？




勿論中原さんから電話が掛かってきました。
＿＿＿

PRRRRRR
『はいもしもし』

｢�爐�いA、手前今何処に居る？！��｣

『あ、中原さん。先程まで探偵社の二人と和んでました』

｢�爐覆叩◆帖帖帖帖勅蠢亜�帰ったら覚悟しとけよ��｣ブチッツーツーツー

『あらら……説教かな』


その後帰って説教3時間、フル正座が待っていたのは云う迄もない。

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