#03. ツクリモノ ページ6
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家に帰って調べれば彼女の情報はすぐに出てきた。
花坂A
本名、与高A。
検索したら画像も出てきた。
画面の向こうにいるその子は穏やか表情で柔らかい笑みを浮かべている。
作りモノみたいだ、って
その時感じた物が何かは分からないけど、何かが突っかかって抜けない感じがした。
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「 ねぇ涼介、箸とってー 」
「 ……あぁ。はい 」
「 アリガト 」
昼休み。
学食を使うのも少しだけ慣れてきた。
俺の隣に座る知念と前に座るゆうてぃは黙々と温玉カレーを食べ続けている。
「 食べないの? 」
「 いや………食べるけど 」
「 ふーん 」
興味なさそうにカレーを口に運ぶ知念。
……この違和感はなんだろう。
毛糸が絡まりまくったみたいな
「 そういえば、明日から山ちゃんの後ろの席の子学校来るってよ 」
「 え? 」
「 マジ? 」
「 うん。先生が言ってた 」
何でもないような顔で言うゆうてぃ。
いきなり言うからビビって飲んでたお茶溢しそうになったし。
「 どうしたの (笑) 」
「 いや、 別に 」
もう入学して一週間経ったっけ?
むしろその速さに驚いてるよ。
「 ごちそうさまー早く食べないと置いてくよー 」
「 は!?ちょ待てっ、 」
「 食べないでぼーっとしてるからだよ 」
「 ちょ、待って! 」
急いでカレーをかき込んで2人のあとを追いかけた。
ちょっとぐらい待ってくれたっていいだろ!
「 ちょ、待ってって 」
「 山ちゃんが食べるの遅いんでしょ 」
「 だからって先行くことないじゃん! 」
教室の前についた時、教室からリュウが急いで出てくるのが見えて
目が合った瞬間「 いた! 」って大きな声で近づいてきた。え、なになになに
「 どこ行ってたの!? 」
「 どこって食堂…… 」
「 そっか昼休みだもんね!!てか早く教室きて! 」
「 なにどうしたの? 」
「 Aが来たの!! 」
A、Aって確か…………
リュウに連れられて教室に入ると窓際の席に人だかりが出来ていた。
その中心に居る女の子が不思議そうにこっちを見る目に心がどうしようもなくなっていく気がして少しだけ戸惑った。
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作者名:まりも | 作成日時:2021年10月10日 0時