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………なにそれ。バカじゃん
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『ジェボマってホントにバカ』
「あ?一応先輩だぞ」
『ホント……バカでしょ、』
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バカでイラチでおっさんっぽいし、口悪いし、相槌ばっかり打つし?
なのに、何でそう言う言い方するかな……
ムカつくのに……何で目頭は熱くなるのかな
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「………泣いてるのか」
『っ、いや?泣いてない』
「相変わらず素直じゃないな」
『……ジェボマがそうさせてるんだよ』
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悔しい。こんなはずじゃなかったのに
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「1位取ったんだってな」
『……うん』
「おめでとう」
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おめでとうってその一言。
たったその一言なのに色んなものが詰まってるその言葉。胸にゆっくり刺さるその言葉。
こんなにも大切なものだって知らなかった。
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『ありがと、』
「あぁ。今度JYPnationあるからまたその時会うかもな」
『そうなの?それは楽しみだ』
「じゃあ、行くわ」
『うんー』
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背中を向けたジェボムは手を振って練習室を出て行った。
なんだか練習する気にならなくて
また床に寝転がって
流れてくる涙を拭う気にもならなくて
ゆっくり頰に流れて止まらない涙も、
思い出しながら懐かしむ思い出も
今日は全部一緒に抱きしめて眠るよ。
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作者名:Kaulu | 作成日時:2019年11月12日 10時