不運大魔王の幸運な弟 にぃ

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A「んん.....う.....」


パチリと目を覚ました。


A「ぅん.....僕、いつ部屋に......」


裏山の木にいて、食満先輩に出会って......


本当に、いつ帰ってきたんだ.....？


伊作「おはよう、A」


A「！兄さん......」


ずっと僕の部屋にいたんだ......


気づかなかった.....


伊作「ごめんね、服そのままだ」


A「！大丈夫、兄さんが運んでくれたの？」


伊作「うん。留三郎の胸で寝ちゃって、僕が預かってきた」


A「そっか......」


後で食満先輩にお礼しないと......


伊作「A、足痛いでしょ」


A「足......」


確かに、痛かった。

南蛮のぶーつってやつ。


それを履いて演技をしていたけど、中盤あたりからかなり痛かった。


それを我慢して演技してたけど、やっぱり痛い。


伊作「なれない靴履いてやったからだね。手当するよ」


A「え、いい。大丈夫.....」


近づく兄さん。

僕は座ったまま、後ろに下がった。


足触られるの好きじゃない。


くすぐったくて、変な感じするし......


伊作「こら、逃げない」


A「や、やだっ、やだっ！」


伊作「A」


A「ﾋﾞｸｯ」


伊作「おいで」


A「.......」


地を這うような兄さんの声。

本当に怒ってる時の声だ。


僕は諦めて、兄さんの前に座った。

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