もう、戻れない2 ページ36
今日から、再開させていただきます!!
「アーヤ…」
手が空を切った。
「ごめん…」
出てきそうな涙をぐっと堪える。
俺が泣いちゃいけない。
俺がアーヤを傷つけてしまったのだから。
泣いちゃいけない。
今頃、アーヤが一人で泣いているのだと思うと胸が締め付けられた。
知っていた。
アーヤが俺を好いているということを。
そして…、上杉がアーヤを好きだって事も。
わかっている。
俺がえんりょしても上杉が喜ぶわけがないし、ただアーヤを傷つけるだけだって。
だけど、恐いんだ。
きっと俺は、アーヤを幸せにしてやれない。
上杉なら、アーヤを絶対に幸せにできる。
俺は、スマホを手にとって、上杉へラインを送ろうと、
《アーヤが泣いてる。行け》
と、書いた。
だけど、押せないんだ。
送信すれば、きっと二人で幸せになってくれる。
そう確信しているのに…。
堪えきる事ができなくて、頬に涙が伝った。
ああ、無理だ。
やっぱり、無理だ。
「誰にもっ、渡したくないっ!!」
俺は、涙を拭うと、走った。
彼女がいる方へ。
「アーヤッ!!」
アーヤは驚いた様で、身体をビクッと震えさせた。
「わか、たけ…」
逃げようとする彼女の身体を捕まえて、叫んだ。
「好きだ!!」
もう、戻れない。
もう、戻れない【完】
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ホワイトノート(プロフ) - miimiさん» ありがとう! (2018年9月30日 17時) (レス) id: 0b7cfa20f4 (このIDを非表示/違反報告)
miimi(プロフ) - ホワイトノートさん» パスワードバレたらマズイよね。全部、消しちゃうね (2018年9月30日 17時) (レス) id: 0e1db8311b (このIDを非表示/違反報告)
miimi(プロフ) - 白菫さん» ありがとうございます〜、とても嬉しいです! (2018年9月22日 22時) (レス) id: 0e1db8311b (このIDを非表示/違反報告)
白菫 - この作品、すごく好きで昔から読んでいたのですが、miimiさんだったとは…!今回、合作できるのが凄く嬉しいです! (2018年9月22日 22時) (レス) id: be2073230c (このIDを非表示/違反報告)
miimi - そのような事を言ってもらえるだけでうれしいです!これからも頑張ります! (2017年5月14日 11時) (レス) id: 0e77c97ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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