二節 十一部 ページ12
「………そんなことが……」
皆直ぐにダンスホールに集まった。ナオは階段に座ってみんなにティナのことを話すと金龍は何も言わずナオを抱き締め、橙龍とアカはその場から動くことは出来なかった。
「『貴方と友達で良かった』って……本当かな………自分は結局、殺してしまったというのに……」
「本人が言ってんだもん。きっと本当だよ、信じてあげよう？」
金龍はナオの手を取り笑うとナオも笑った。
「………そうだな、信じてやんないとな…」
今はまだ上手くは笑えていないだろうが眉を顰め口角を無理やりあげて笑うと金龍はいつもの感じに揶揄った。
「あはは、主様笑うの下手〜」
「酷いなぁ」
少し明るくなる空気。しかし
「なぁ、ボスって誰のことなんだ」
黒龍のその一言で緩んだ気が引きしまる。
「『ボスの指示で』ってことはそのボスは俺らのことを知っている…」
黒龍の話にナオは黒龍を見上げる。
「口調からしても、この城にいるよ」
視線が皆ナオに向く中そのまま言葉を続けた。
「ボスの指示＝歯向かえば死。でも、どうやって死んだか、殺したか確認する？そんなの、一つだけ。近くでこの目で確認すればいい」
己の目で見たものこそ信じられるものは無いからね、なんてナオは不敵に笑う。
(確かこの世界には防犯カメラとか存在しない)
すると金龍は疑問を口にした。
「でも、普通にあとからこっちに向かえば良くない？」
「いや、相手は無駄な殺しはしたくないから無い」
「と、いうと？」
「ティナへの指示は自分を殺すこと、クロ達は含んでないんだよ
それで、自分を殺してその死体を確認するのにクロ達が自分の死体を持って行ってしまえば死体がないから殺してないって判断になってティナを殺すしかない
でももし殺していたら………
なら近くで見てすぐ判断した方が良くない？殺し損ねたら自分で殺せるように」
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作者名：宇宙ノ彼方 | 作成日時：2019年7月28日 19時
