夢語神龍壱【名前固定】 (ページ39)

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一節　三部ページ39

突然のことに疑問符が浮かびつつもナオはここでよく情報集めするからそれで噂が回っているのかもしれないと理解して自己紹介する。

「なっちゃん…？かどうかはわかりませんが多分そうです！ナオっていいます」
「そうなんだぁ初めてあえた〜」

　ご当地キャラか何かかと内心ツッコミつつも、質問に対しての返答がない為、えっと…と言葉を詰まらせていると男性は直ぐにあ！ごめん！と理解して、知らないと答えた。

「お役に立てずごめんね」
「いえ！ありがとうございました」
「いえいえ」

　男性に手を振って離れると近くで聞いていた金龍が駆け寄る。

「いつもあんなかんじ？」
「………うん、まぁ…ね」

＊

　その頃＿＿

「……チッ」
「えぇ〜駄目なの〜？」
「行こうよぉ」

　黒龍は女性二人に声をかけられる、所謂《いわゆる》逆ナンにあい、顰め面で不機嫌になり、橙龍は突然の事に困惑し、取り敢えずこれの対処法を学ぶ為、黒龍の行動を観察していた。

「うーっし、今日はもう終わろっか」
「はーい」「了解した」
「………」
「あー……今日も不機嫌…っと」

　情報収集を終え、ぐっと伸びをして返事のない黒龍の方を見ればそこには不機嫌そうにしている黒龍がいた。首の左側には爪の跡が幾つもあり、ナオはその理由を知っている為、眉を八の字に下げつつそこに優しく触れた。

「偉いな黒龍、ちゃんと言ったこと守ってくれとんのね」
「………」

　黒龍は無言でナオと額を合わせる。ナオは甘えているのだと黒龍の頭を撫でた。

「お前にはいつも我慢してもらってるな、ありがとう」

　何故黒龍がこうなっているのかには数年前、人を殺めそうになったことが原因なんだろうなと思う。

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　それはまだ生活に慣れていない黒龍と二人で情報を集めている時、丁度ナオが離れたところであった話だった。