一節 二十部 ページ20
「ヒント少なすぎだろ、鬼畜」
「ヒントほとんどなくね笑」
ケラケラと笑っていると黒龍は満足したのか、ナオから腕を離しナオの右手を掬いあげる。
「落し物」
「ん」
ナオに拾っていた腕輪をはめ、黒龍はそのまま手の甲にキスを落とす。
「もう何処にもいなくなんな」
その手を自らに引き抱き寄せる。
「わぶ」「んで、おっさん誰」
「えぇ〜さっきまで空気にしといて君もおっさん呼ばわり〜？悲しいな〜」
甘々な空気から一変、黒龍はナオからゴンサロを離れさせ警戒心を剥き出しにする。
これにはナオもゴンサロも苦笑いをこぼした。
「主に何した」
「なにもしてないよ〜お嬢ちゃんも何か言ってよ〜」
「…クロ、おっさん何もしてない」
「本当に？」
「本当に」
渋々といった感じに言うナオに黒龍は少々疑いつつもおっさんを見た。
【「おじさんといっしょに【いらい】をね」】
【「おじさんね、あっちいってった」】
「……おっさん、もしかしてラグナっていう少年と来てるか？」
「ん？あぁ、少年とは来てるよ」
【「【なかま】だけど【なかま】じゃない、アイマイなカンケイ……かな」】
あまりラグナに興味の無いゴンサロの様子に黒龍はラグナの言っていたことを何となく理解した。
「……一旦出よう、依頼クリアしたし」
「あ、あぁ」
お宝を回収しゴンサロの後を追うと、着いた先には少年、【ラグナ】が待っていた。
「ん、おじさんおかえり」
「あぁ」
ラグナはゴンサロの奥を覗き見ると後ろにいた黒龍と目が合った。
「あ、さっきぶりだね」
「…あぁ」
「そのひとが【あるじ】？」
「そうだ」
黒龍の隣にいたナオは何となく察してラグナの前に出る。
「はじめまして、ぼくはラグナ」
「自分はナオ」
「ナオ……ねぇおねーさん、きいてもいーい？」
「？」
「なんで【よーじんぼ】つけてるの？」
「【用心棒】？」
「俺の事だ」
「……クロが用心棒…」
「あながち間違ってないだろ」
「なるほどねぇ……誓ったからかなぁ…」
そう答えればラグナは眉を顰めた。
「おにーさんとおなじこといってる」
「まじか」
「なんでちかったの？」
「…わかんない。わかんないけど……クロだからじゃないか？」
「？」
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作者名：宇宙ノ彼方 | 作成日時：2018年12月26日 11時
