一節 十一部 ページ11
無事街につき、依頼達成の確認を役所にすれば、二人は次の依頼を開始させる。
「ん〜と、次はこれ」
表示されたのは【鉱石探し】
「…何こいつ、宝探し的な感じで依頼しちゃってんの?」
ナオは依頼書にキレた。
先程説明した通り神龍は身動き取れない場所には居ない。本能的にその場を避けるのだ。
しかし再び身動き取れない場所を指示されては、最早その神龍自身に遊ばれてるようにしか感じない。
「これに龍がいんの?」
「見るからにいなくね」
「う〜ん…」
「まぁまぁ、内容はぁ…っと」
紙を払えば浮かび上がる文字
【鉱石探し:報酬???】
報酬が
この場合、報酬は両極端。凄くしょぼいか凄く豪華か、つまりは一獲千金を狙う賭け事だ。
殆どの奴は手をつけない。高確率でヤバい依頼で高確率でしょぼい報酬だからだ。
「なんかねぇ南西区域レイズの廃坑で黄金色の鉱石を探して欲しいんだと」
「レイズ…意味は色々あるな。上げる、掲げる、作る、増やす、荒らげる、引き起こす、呼び出す」
「呼び出す……ねぇ」
ナオはさっきの洞穴での出来事を思い出す。出てくるはずがない黒煙が出てきたからだ。
「どうした?」
「いや、さっきのリボルトん時さぁ、黒煙が…いや、なんでもない」
(きっと思い込みだ、多分きっと)
ナオはあの黒煙は呼び出されたものと考えていた。しかしそんな確証はどこにもない。
無意味だろう思考にナオは頭を降って誤魔化した。
「んな事より宿よ宿!我ら疲れてんだよ」
「俺は別に…」
「自分が疲れてんの!ってかお前は休め!お前が一番休め!これ命令!」
「…へいへい、宿な」
もうすぐ夜になる。
二人は満員になる前に空いている宿を探すこととなった。
「いやぁ〜お金貯めといてよかったぁお布団もふもふ〜」
宿を無事見つけ、ナオは早々にふかふかのベッドにダイブする。
そのふわふわさを全身で堪能していると、どこからかシャッターを切る音がした。ナオは辺りを見渡すが特に何も無い。とても微かな音だったので流石に黒龍では無いのは分かっているが念の為黒龍にも聞いてみる。
「クロ写真撮った?」
「?カメラ持ってねぇから撮れる訳無ぇ」
「だよなぁ」
再びベッドに顔を埋める
(時々聞こえるんだよなカメラ音)
ナオはこれが初めてではないのだ。
がしかし、リラックスしたことで溢れ出した疲労感にナオは考えることを諦めてそのまま意識を落とした。
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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2018年12月26日 11時