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一節 二部 ページ2

長めのボブヘアーに白い髪、幼げで大きく蒼碧色のトルマリンの宝石のような瞳。それを覆い隠すような長いまつ毛。前髪は左目を隠すように伸びていて、耳には大きい輪っかのイヤリングが瞳とは逆に大人びた印象を感じさせる。そんな見た目の割に背は一六〇と少し低め。恐らく一五歳前後だろう年齢不明の少女【ナオ】。
 彼女は何やら不思議な力を持っているらしく、その力と関係がある世界に散らばってしまった九頭の神龍を探して旅をしている。

 その探している九頭の神龍の内の一人。
 長く艶やかな黒髪は、後ろでひとつに括られて、瞳は薄黄色の月のような綺麗な色をした切れ長の目。瞳孔の周りは少し蒼碧掛かっていた。前髪は顔を隠してしまいそうなくらい長く、背は割と大きめだが見た目は二〇歳手前くらいの若さがあった。
 ナオと同様年齢不明の【黒龍】。彼はナオに忠誠を尽くし、契りを結んだ漆黒の龍。今は神龍の特性により人の姿になってナオと共に旅をしている。
 二人は残り八頭の神龍を探すために様々な依頼をこなすが、一向に神龍が姿を現すことは無く、既に十年以上の月日がたっていた。

 そして今、役場へ行き依頼(クエスト)を受けようとしているところだった。

「依頼ありますか」
「ありますよ、あそこの掲示板からお取りください」

 役員に指された方向には大きな掲示板があった。黒龍と共に近くへ行くと、びっしりと雑に、隙間なく紙が貼られていて、ナオは呆れたようなげっそりとした声で「雑だ」と呟く。黒龍から急かすように声をかけられたので観念して掲示板に手を伸ばした。
 ナオは掲示板に手を掲げたまま唱えた。

「【九頭龍 汝その足跡を我に示せ 我が前に姿を現せ】」

 掲げた両手を中心に舞い起こる風、掲示板に乱雑にびっしりと貼られた紙が風で剥がれまいと暴れだす。その中から舞うように姿を現した三枚の紙は、ピンッとナオの前に横一列にして並んだ。

「この三つ………か。クロ、どれからやる?」

 黒龍は何も言わず右を指さし、ナオはそれに従って他の二枚の依頼書を取ると折りたたみポケットにいれ、残りの一枚を掴むと中を見た。

【モンスター討伐:報酬 五万G】

 紙にはその文字とハンコが押されてあり、白紙の部分をホコリを取るように手で払うと、下に詳しい話が書き出された。

一節 三部→←【第一章 一節】 九頭龍、旅の始まり



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作者名:宇宙ノ彼方 | 作成日時:2018年12月26日 11時

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