【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が98こ ページ50

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暫く互いに無言で食べていれば、赤司君がふと私の顔を見た。



「……やっぱりAは可愛いね。何をしても可愛い」



そして唐突に私が照れるような言葉をすらりと出してくる。



「顔真っ赤だよ、熱かな」

『っう、うるさいな……』



そんでもって照れて赤くなる私の顔を見てはそうからかってきてクスクスと笑うものだから。



ちょっと食べづらい。
見られながら食べるのは照れてしまう。



「前は全然照れてくれなかったのに、相手にすらしてくれなかったよね」

『……』

「今は僕の事で頭がいっぱいだと嬉しいんだけど。Aの事だからそれは無いか」

『……いっぱい』

「ん？」

『赤司君の事だけで頭がいっぱいだもん……』

「……は？」

『照れちゃうし……前は嫌いだったのに……今は……』

「……今は？」

『……赤司君と、もっと居たいな……』

「……」



と、ここではっとした。
何かぼーっとしてた。
赤司君が私の事をいつもみたいに可愛いと言ってから、何だか凄く照れちゃって。



頭が混乱して。
顔は真っ赤になりっぱなしであっついし。
身が持たないよ、とか思ってたら本当に一瞬身が持たなかった。



『……赤司君と居ると本当心臓が潰れそうというか。ドキドキしすぎて……何だろこれ……』

「……A、それ独り言のつもり？」

『へ？』

「……その間抜けな声を聞くと、わざとでは無いみたいだね。なら本心か」

『？』

「期待しても良いのかな」

『え、な、何の事……？』

「後もうひと押しか」



首を傾げる。



何言ってるのかは良く分からない。
けど、嬉しそうな表情でまた私の髪を撫でる赤司君が……。
私を見つめるその切れ長の目が。
カッコイイ、なんて思ってしまうのには十分で。



赤司君に撫でられるのも、抱き締められるのも、今ではそんなに嫌いじゃない。
むしろその後は名残惜しいとまで感じてしまう程な気がする。



ドSで俺様で、私の事を虐めてばかりで嫌いなはずの赤司君。
でも。



今は……嫌い、ではなくて。
嫌いが、嫌いだったに変わっている。
赤司君の事が嫌いだった。
なら……今は……？
普通、よりも上な感情を抱いている気がする。
け、けど大好き、では無いはず、うん。
じゃ、じゃあえーと……これだ！



赤司君の事は嫌いでした。
でも今は、ちょっと好きです。



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