【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が97こ ページ49

.


それから歯を磨いて、思ったよりも酷かった寝癖を直していたら赤司君が丁度帰って来た。



手にはおぼんを持っていて、見てみるとパンとかサラダとかスープとか。
簡易的な朝ご飯みたいだ。



それを机の上に置いていく。



「ついでだから朝ご飯も作ってきたよ、Aは洋食の方が好みだったよね」

『あ……うん、ありがとう……』

「僕の分も持ってくるから」



そう言って再度出て行った赤司君。
赤司君と朝ご飯を一緒に食べるのか……
なんか不思議な感じだ。



昼ご飯以外で一緒に食べる日が来るなんて。
しかも朝。
ま、まぁ泊まったから当たり前といえば当たり前……なのかもしれないけど。



寝癖も取れて、朝ご飯が置いてある机の前に座る。
待っていると赤司君がもう1つのおぼんを持って帰って来た。



『お、お帰り……』

「……！！ふふっ、ただいま」



わ、笑われた……
何となく言ってみた言葉なだけだったのに。



手を揃えてから、朝ご飯に手を付ける。
さっき作ってきた、って言ってたけど赤司君がこれを作ったのか。
……女子力高い。
何でも出来るなとは思ってたけど。



『メイドさんとかに……作ってもらえば良かったのに』

「好きな子に振り向いて貰うためにはまずは胃袋を掴めと言うだろう」

『……それ、女の子が男の子にする事じゃ……』

「じゃあAが僕にしてくれるの？」

『え、わ、私は……料理とか作れないし……そ、それに別に赤司君に振り向いて欲しいとか思ってないっ……』

「まぁ既に僕は振り向いているからね」

『そ、そういう事じゃ……』



あぁでもやっぱり、まだ目を合わせられない。
照れちゃうというか、前の事を思い出すから、とかもあるんだけどね。



でもこれは……前の、まだ優しかった頃の先輩に抱いた感情と……似てる、ような。



赤司君を見ると、目が合う。
咄嗟に目を逸らして、下を向いてパンを食べてるフリをした。



「さっきはごめんね」

『え……？』

「急に押し倒して。もうしない」

『あ……』

「好きな子は大切にしないとね」



そう言うと赤司君も朝ご飯を食べ始めた。
また、私の顔は熱くなる。




.

意地悪が98こ→←意地悪が95こ

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す