【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が78こ ページ31

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あれから数年経って、またここに戻って来た時には赤司先輩もA先輩も少しは変わっているかと思っていたけど。



赤司先輩が今までA先輩にしてきた事を聞いて、全く変わっていないと実感した。
A先輩は実は影で人気がある。
なのに何故告白されないか。
それは赤司先輩がわざわざA先輩に近付く男を全員追い払っているからで。



普通そこまでするだろうか。
付き合ってもいないのに。
赤司先輩は、あの頃からずっと変わらない。
A先輩にだけ、異常に独占したがる。
赤司先輩は、最近になってA先輩の事がずっと前から好きだったと気付いたと言っていた、でも。



私は、赤司先輩はもっと重要な事に気付けていない気がしている。
初めて会った時から感じていた違和感。
A先輩を見る目、A先輩に近付く者に容赦無く向けられる殺気。
それら全てが少し常軌を逸しているという事に、異常すぎるという事に、赤司先輩は気付けているんだろうか。



少し、心配なんだ。
その見え隠れする狂気じみた闇が。
私は将来的に赤司先輩が……



……ううん、これ以上考えるのはよそう。



ともかく、赤司先輩の言ってた事。
なるべく私は赤司先輩とべったり話してA先輩を放置する。
簡単に言えば押してダメなら引いてみろ。



A先輩と話してみる限りこの作戦は、割と効果が出ているような気がしているし、後もうひと押しだ。



「赤司先輩！A先輩ちょっとつまらなそうにしてますよ！後赤司先輩の好きな人が私だと何故か勘違いしているみたいです！応援されてしまいました！」

「……はぁ、Aって本当にアホだよね」

「どうするんですか？このままだとその内A先輩、私と赤司先輩が付き合ってるとか更に勘違いしそうですけど……」

「……Aは僕とアリスを応援しているんだよね？」

「はい、お似合いとまで言われました」

「ならその勘違いを逆手に取ろうか。」

「逆手……？」

「Aの勘違いを利用する、Aは意図的に僕を避けているようだが、これなら誘き出せると思うしね」



私が近況報告をすると、赤司先輩は楽しそうにくつくつと喉の奥で笑った。



良い事を思いついた、明日実行しよう。



これが上手くいけば、A先輩との距離を劇的に縮められるかもしれないらしい。
ただし、A先輩の勘違い次第という大きな賭けだけど。




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