【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が68こ ページ21

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私は終始顔が真っ赤だったけど、花火は無事に終わって。



幸い赤司君も、私の顔が真っ赤だった事に気付いていないみたいだった。
花火の方に視線がいくから、当たり前か。
それに草むらだから暗かったし。



「花火、綺麗だったね」

『……そうだね』



結局普通に夏祭りを赤司君と最後まで満喫してしまった。
別に楽しくはなかったけど、私が想像していたよりも赤司君は私をからかってこなかったから。



財布要員としては、まぁ少しぐらいなら居て良かったとは思う程度かな。



「……そういえば、僕がラインでAが、って言った後の言葉が気になるって言っていたよね」

『え？』

「教えてあげようか？」

『……前は教えてくれなかったじゃん、何で今更？』

「気分が変わった、今なら言ってあげても良いよ」



そしてもうすぐ私の家の目の前だという所で、私の前を歩いていた赤司君は私の方を振り返った。



「Aが」



しかし、直後ふわりと耳を両手で塞がれる。



「ーーー……」



だから、私からは口パクにしか見えなくて。
教えてあげるって言った癖に、聞かせる気は最初から無いんじゃん。



すっと、耳から両手が離れていった。



『……やっぱり聞かせる気無いよね？』

「じゃあ、また学校でねA。」



気付けば私の家の前。
私の言葉は無視して、赤司君が私から離れていく。
けれど、何か言い忘れたのか再度私を振り返ると。



「……あぁそれと。関節キスぐらいで照れているAは可愛かったよ。じゃあね」



そうクスクス笑って今度こそ本当に、赤司君は手を振って帰って行った。



『〜ッ……！！』



途端にぼっと引いていた顔の赤さが戻ってくる。
……気付いてたんだ。
やっぱり赤司君はドS。
私の理想とは正反対。



私が照れてるのを見て、面白がっていたに違いない。



『……ほんとさぁ、意味分かんないよ』



その癖に顔だけはイケメンという特権に同じ学生とは思えない程の色気という特権を同時にフルで使ってくるから、クスクスと浴衣姿で笑う顔は暗闇でも……



……でも、あれはどういう意味なんだろう。



赤司君が、私の耳を塞いでいる間に言っていた言葉。
あの口パクの動きからして……



「好きだから、Aが好きだよ」



そう、言っているように見えた。
……見間違い、だよね……？




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