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93話 好意 ページ44

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その様子を見て、Aの隣で愛羅があいつやっぱむかつく!みたいな顔をしてジトッとその女子の事を睨む。



そんな中Aは、じゃあ次の土曜はあの子の家に行くのかな?
と、呑気にそんな事を考えていた。



すると、今まで黙って教科書を鞄に仕舞っていた征十郎が突然、まだ鞄に入っていなかった残りの教科書をダンッ、と机の上で大きな音を出して叩いた。



「すまない、来週は先約が居る」

「え……じゃあ、その次でいいよ?」

「その次も先約が居る」

「え……?え、じゃあいつ空いてる?」

「さぁ?」

「……さぁ?ってなに?あ、最近忙しいの?なら赤司君が暇な時教えてよ、私がそれに合わせて」

「暇な時は無い」

「は……?え、……っと、……って、あれ、赤司君、私の連絡先……消した?なんか無くなってるんだけど……」

「あぁ、一昨日消したよ」

「え、なんで?!」

「……分からない?」



はぁ、察しが悪いな、と征十郎が溜息をつく。
そして僅かに人当たりの良さそうな笑みを顔に浮かべながら、ぱしっとその女子の腕を払い除けた。



「君のために割く時間は無い、という意味だ。例え暇が出来ても君を誘う事は無い。言っただろう、僕には先約が居る。その先約以外、今後一切時間は割かない」

「は、え……?何、言って……?先約?先約ってなに?だれ?」

「……」

「ちょ、どこ行くの?!」



征十郎はそう言いながら教科書やノートを仕舞い終えると、鞄を持って教室の後ろに行く。
制止をかける女子の声など全く聞く耳持たず。



そして征十郎の向かう先には、Aが居た。
Aの横で愛羅が、え、え、何?と慌てふためく。
AもAで、一体どうしたんだろう、とぽかーんと征十郎を見つめるだけだ。



すると、征十郎はそんなAの前で立ち止まり。
Aを抱き寄せると、クラス中の視線が集まる中くすりと笑った。



「高宮だ。先約は高宮、というより……まぁ、僕が高宮に一方的に好意を寄せているだけだが」

『え?』

「という訳で僕はこれから高宮に気に入られるため他の奴にはなるべく時間を割きたくないんだ。だから、邪魔しないでくれるかな?」



これにはAも愛羅も、いやクラス中がすぐには理解出来なかっただろう。
さっき色仕掛けをしかけていた女子まで、一体何が起こったのか、訳の分からないといった表情で征十郎とAを見つめている。



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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時

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