90話 好意 ページ41
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結局、その後訳も分からぬまま屋上に取り残されたAは、何も理解出来ないまま一人で焼きそばの続きを食べた。
そしてとりあえずクラスに戻ると、彼氏と回り終えたのか勢いの良い愛羅に抱き着かれて、一緒に回れなくてごめんね〜ッ!と謝られ。
大丈夫だよ、となんとか愛羅を落ち着かせながらAは教室を見回したが、征十郎は何処にも居なかった。
その後も征十郎は文化祭終わりにチラッとクラスに顔を見せただけで、またすぐ何処かに行ってしまったのでAが話しかける隙も無く。
クラスの片付けをし終わる頃には、征十郎から1言だけ「先に帰ってろ」とラインが入っていたので、Aは仕方無く1人で先に家に帰った。
『……何してんだろう、赤司君』
忙しいのかな。
確か征十郎は生徒会にも入っていたはずだ、しかも副会長。
その上次期生徒会長として生徒会役員全員から既にもう推薦が上がっているらしいから驚きだ。
まぁ、部活でのあの完璧な主将ぶりや仕事の早さからして推薦されてもおかしくはない。
生徒会は基本学校の行事がある日はかなり忙しいらしいので、恐らく今もまだ学校で仕事をこなしているのだろう。
けれど昼間、なんだか気まずい雰囲気になってしまったAからすると、征十郎が忙しいのはむしろ少し助かっていた。
それから暫くの間。
家のリビングでAが1人で過ごしていると、ガチャリと家のドアが開く音がした。
征十郎が帰ってきたらしい。
どんな顔をして征十郎に会おうとAが慌てる。
その結果、自室に逃げようという結論に至ったAがリビングのドアを慌てて開けると同時に征十郎もリビングのドアを開けたので、どんッ、とAは勢い良く征十郎にぶつかってしまった。
『いたッ、!!』
「……何をしているんだ」
『……あ、いや……』
なんて言えば良いのか分からず、俯く。
すると征十郎は早速、本題を切り出した。
「まぁいい。で、高宮。昼の話の続きだが……」
『あ、う、うん……』
「何をしているんだ、大事な話だ、早く座れ」
『わっ……?!ちょ、急に……引っ張らなくても……!』
まだ何故かリビングのドアの前に居るAに痺れを切らし、征十郎がAの腕を引っ張り無理やりソファに座らせる。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時