89話 文化祭、本番 ページ40
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何でっ……、?
教えてくれるだけで、良かったのに…
征十郎の行動がAにはいまいち良く分からない。
前々から読めない人だなとAは征十郎に対して思っていたが、最近は更に読めなくなったと思う。
Aからすると、今の征十郎は何もかもが意味不明なのだ。
文化祭を一緒に回ろうと誘ってくれた事は少なからず嬉しかったが。
でも、
Aは、きゅっと固く拳を握り締めると征十郎の方を向いた。
『……あの、こういうのは……辞めてほしい。赤司君、は、慣れてるのかも、しれないけど……私は違う。』
「……」
征十郎は気にせずまだ、焼きそばを食べている。
『……おせっかい、かもしれないけど……好きな人、?とかだけに、こういう事は……した方が良いと、思う』
「……」
『えっと……赤司君、聞いてる?』
と言っても、赤司君の女遊びが激しい事は知っている、だから……特定の好きな人、なんてこの人には無縁な言葉そうだけど……。
と、Aは最後にそう心の中で付け足した。
すると、それまで黙って焼きそばを食べていただけだった征十郎が突然、割り箸を置く。
Aの方を見た。
「今まで誰も好きになった事が無いような奴が、随分偉そうだな」
『えっ……?』
「高宮にだけは言われたくない」
『……え、……そりゃ、私は……恋愛経験?なんて……無いけど……』
「お前の場合は恋愛云々以前に対人関係もまともに出来ていなかったと思うが」
『そ、それは……ッ』
何?急に。
突然刺々しい口調になった征十郎に、Aは困惑する。
しかも何故か途中から、征十郎にAが攻められる形に変わっていてAは眉間に皺を寄せた。
表情が固くなっていく。
いつもの仏頂面になったAは、対人関係は……しょうがないでしょ。
今は関係無いじゃない、と不機嫌だ。
「それに1つ言っておくが、僕が自分の家に誰かをあげたのは高宮が初めてだ」
『え、は……?次は何っ……』
「自ら手を差し伸べたのも高宮が初めて。これが他の女ならそもそも無視している。人の家の事情など知ったこっちゃない、関わるだけ面倒だからな」
『なんの話ッ……』
「さて、僕は食べ終わったからもう行く。この話の続きは家でしよう」
『ちょ、っ……赤司君っ、!』
しかし征十郎は、自分の言いたい事だけ言うと、さっさと片付けて行ってしまった。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時