84話 文化祭、本番 ページ35
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小太郎は最後の驚かし役だったようで、小太郎に会った後すぐにお化け屋敷を出る事が出来たAと征十郎は続いて千尋のクラスの縁日まで足を運ぶ。
「……なんだお前ら来たのかよ」
「千尋のクラスは縁日みたいだね」
「……俺としてはもう少し楽な出し物でも良かったんだが、まぁこれもただ遊んでる客を見て景品渡すぐらいしか仕事が無くて良いからな」
『景品……?何か貰えるんですか?』
「あぁ、まぁ大した物じゃないけどな。お菓子だよ、種類は結構ある」
景品、その単語に反応したAが千尋に聞くと千尋は教室の端に置いてある机を指差した。
机の上にはかなりたくさんのお菓子が積み重なっている。
あれが景品のようだ。
『ケーキもある……』
「あれは輪投げとかボーリングでかなりの高得点出さないと貰えないぞ」
『……』
「……やってみようか」
『え、?ぁ……うん、』
一瞬だが、ケーキを見て僅かに目を輝かせたA。
千尋には分からなかったようだが、人の一瞬の変化も見逃さない征十郎は気付いたようだ。
輪投げの輪を手に取ると、Aに渡す。
Aは暫く輪を見つめ、狙いを定めて投げた。
……しかし、上手く入らない。
運動は得意なAだが、こういった距離感等センスが問われる事は苦手のようだ。
その後も3.4回投げてみるがやっぱり入らない。
『……駄目だ……』
「……距離感は合っている。が、投げる強さと角度が恐らく違うな」
それに痺れを切らした征十郎がAにアドバイスをすると、後ろからAの手に自分の手を添え丁寧に教え始める。
Aが驚いて少し耳を赤くしているが、征十郎は気にも止めていない。
「で、この角度で軽く投げてみろ。これなら絶対に入る」
『う、うん』
やがて教え終わったのか征十郎がAから離れると、Aがそのままの角度でもう一度輪を投げた。
すると、
『あ、入った……!』
最も点数が高い場所に輪が入る。
Aは顔を輝かせると残りの輪も投げた。
一度教えてもらった事でコツを掴んだのか、その後の全部の輪も無事に高得点の場所に入る。
そして次のボーリングでも征十郎から投げ方を教えてもらうと、すぐに高得点を叩き出していた。
千尋からこれならケーキ1つと他にもお菓子が何個か貰えると言われ、早速お菓子を教室の隅で選ぶA。
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どろっぷ - すごく、おもしろかったです。更新、待ってます。 (2020年11月13日 19時) (レス) id: dcfe57966e (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - すっげ………面白れぇ………更新、頑張って下せぇ!! (2020年9月7日 6時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - ????? (2020年8月8日 11時) (レス) id: a60876bc3f (このIDを非表示/違反報告)
神崎セルザ@新垢2(プロフ) - 仁王彩香さん» 1ヶ月程また更新してませんでしたね……!申し訳無いです……!この後の展開を考えていたら少々行き詰まってしまいまして……笑 でも私も早く2人をもっと進展させたいので、また今週から更新再開させますね! (2020年7月5日 19時) (レス) id: 153d28bbbb (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 更新お願いします。゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: a3e64590b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@復帰しました | 作成日時:2019年12月1日 20時