ドS彼氏の彼女攻略2【赤司征十郎】

81話　文化祭、本番 ページ32

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「あ、高宮さん！来たよ〜」

『夜桜さん、ありがとう。確か夜桜さんのクラスは……えっと、たぴおか……？ドリンク屋さんだったっけ』

「そうなの！競争率が凄かったらしいけど、無事に勝ちとったんだよ〜」

『後で行くね』

「本当？ありがとう！」

『……あ、じゃあ、私仕事あるから』



途中やよいが同じクラスの友達を連れてAと征十郎のクラスに顔を見せにくる。
その後で小太郎や玲央と巻き込まれた千尋もAと征十郎のコスプレを見にきたりと、続々やってきた。



「……赤司は相変わらず人気だな」

「だね〜、女子達の黄色い声が凄いよね！」

「流石征ちゃんだわ！」

「でもAもなんか結構噂になってたよね？」

「そりゃあいつもかなり顔が整ってるからな」

「この感じだと文化祭を機にAの隠れファンとか出てくるかもね〜」



Aが接客をしている姿を見ながら、そんな話をする3人。



征十郎は言わずもがな、洛山では知らない人は居ない程の人気っぷりなので、ひっきりなしに女子生徒から次々と指名が入っているが、Aも負けず劣らずで。



逆にAは圧倒的に男子生徒からの指名が多かった。
元々顔はかなり整っており、可愛いの部類に入るAだから表に立てば必然と注目を浴びるのは当たり前だったが。



Aの場合は全く笑わない、無表情というオプション付きなので外では「可愛い無表情メイド」が居るともっぱら噂になっており無表情という単語に興味を持つ者も多かった。



しかもこのクラスではスマイル下さいと言えばスマイルを貰えるという良くある制度を実施していたが、愛羅がAの無表情という一見短所に見える要素を魅力として考え



「メイドさんスマイル下さい！」

『……申し訳ございません、私はそのようなサービスは承っておりません』



Aに限ってはこう言うように指導したので、これが逆にクールで可愛いメイドさんが居る！！と更なる人気を集めていた。



そんなAの思いがけない人気ぶりに、征十郎が気付かない筈も無く。
ちらりとAを見ては、やはり不機嫌そうに若干顔を歪めていた。



「……(耐えろ、午前だけの我慢だ)」



段々とAへの想い、周りへの嫉妬が自分の中で異常な程に膨れ上がってきているのをまだ征十郎は気付いていない。



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